2026年06月26日(金)

コラム・エッセイ

二宮金次郎像

翠流

▼一昨年6月、周南市の櫛浜小の二宮金次郎像が耐震化工事で撤去されることになり、地元から疑問の声が上がっていると報じた。結局、この像は関係者の尽力で校庭に残り、今も子どもたちを見守っている。

▼先日、日刊新周南の前身「徳山公論」のスクラップを調べていてこの金次郎像を取り上げた記事を見つけた。この像は1957年とちょうど60年前の3月に卒業記念で贈られたが、像の台の中に全校生徒一人々々がこぶし大の石にクレヨンなどで目標などを書いた「願いの石」「誓いの石」を入れたというのだ。

▼そのためか、児童たちは建立後、登下校時に自主的に像の周囲を清掃し、像の建立地には入らないようにしていた。記事は「児童の道徳教育が問題とされている折り、これら児童の行為は各父兄からも非常に喜ばれている」と結んでいる。

▼像はその後、台風で破損して建て直され、写真で比べると台座も替わっているようで、今も「願いの石」「誓いの石」が入っているかどうかはわからないが、建立当初から同校のシンボルとなっていたことがうかがえる。当時の児童は今、70歳前後。金次郎の教えを胸に生きた人も多いのではないだろうか。

▼現在、市では新市庁舎、新徳山駅ビルを建設中。市の新しいシンボルとして市民参加の工夫がもっとなされるべきではないだろうか。できれば「誓いの石」のように子どもたちが長く誇りとし、生きる支えになる参加方法であってほしい。 

(延安)

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