コラム・エッセイ
「高瀬茶に恋した男…。」
翠流▼周南市和田地区のTEAM376が映画「高瀬茶に恋した男…。」を完成させた。出演者のほとんどは和田地区の住民、撮影、編集はシティーケーブル周南。1時間17分の映画の制作費が10数万円というから驚く。ドローンを使った上空からの撮影を含めた地区の風景を背景に“和田地区に恋した男女”の熱演が続き、最後まで飽きさせない。12日には徳山商店街のシネマ・ヌーヴェルでも上映される。ぜひ大画面で見ていただきたい。
▼ところで、映画の物語は一九八八年、高校を卒業した息子の旅立ちで終わる。高瀬茶を愛する父親はそれからどう生きるのか、息子は和田に帰ってくるのだろうかと気になる。
▼30年たてば登場人物たちも年齢を重ね、ちょうど現代になる。まだ元気だった父親は80歳前後、高校生だった息子は50歳前。父親が健康であればいいが、介護が必要になった時、家族や地域は支えることができるのか、農地の管理はどうするのか、集落を維持できているだろうか。現実的な問題が頭に浮かんでしまう。
▼それは和田に限った問題ではなく全国の多くの農山漁村が抱えている問題でもある。TEAM376はその現状に変化を与える可能性を持っていることが映画の熱演から伝わってくる。続編は和田の暮らし、TEAM376の活動、三作神楽など伝統文化も盛り込んだ全国に希望を発信するドキュメンタリー映画になってほしい。
(延安)
