コラム・エッセイ
地方の自立
翠流▼周南市の「しゅうニャン市」によるシティプロモーション推進事業で感じることの一つに中央指向がある。海軍燃料廠の誘致以来、国の政策のもとで発展してきた歴史があるからだろうか、旧徳山市は銀座、新宿、青山町、原宿町、晴海ふ頭など多くの東京と同じ地名が付けられて「ミニ東京」として知られている。
▼国が地方創生政策を推進することになって、全国の自治体は「まち・ひと・しごと創生戦略」を策定した。周南市も昨年1月にできたが、そのアクションプランには2015年度から19年度まで5年間の具体的な取り組みが記されている。
▼今回、反対する市民も多いシティプロモーションもそこに盛り込まれた事業の一つ。しかし「しゅうニャン市」は市民が発想したものだが、進め方は東京で活躍中の専門家にお願いすることになり、どこの誰に頼めばいいのかとなった時、出身者に頼ることにしたようだ。
▼一方、小なりとはいえ、周南市にも広告会社もあれば放送局や新聞社もあり、コンピューターグラフィックスや映像、ホームページ制作などさまざまなクリエーターも少なくない。県内に広げればさらに“人財”は豊富だ。なにより心強いのは、これらの人たちはここに住み、この地を知り尽くしていることだ。
▼市の担当者がもし、この人財を知り、ふだんから交流があれば事業の展開も随分違っていたのではないだろうか。東京追随から抜け出して各地方が自立することこそ創生戦略の狙い。徹底して地元にこだわり、本気で取り組んでほしい。
(延安)
