コラム・エッセイ
美術博物館の同時開催
翠流▼「身の丈にあった」という言い方がある。市が施設を整備する場合などに人口や財政規模に合わせたものにし、必要以上に費用をかけないようにする場合もこれにあてはまる。
▼周南市美術博物館は歴史と美術の展示、収蔵施設だが、国宝が展示されているわけでも、ピカソやゴッホの絵がいつも見られるわけでもない。それでも人口15万人の周南市にとっては過ぎたるものという人もいるかもしれないが、開館から22年を経て「身の丈にあった」施設になってきた。
▼そう感じたのは17日から21日まで同時開催された写真作家3人のさくらの会と、絵画、写真の5人のたまよ会の展覧会を見たからだ。
▼さくらの会では全国的な公募展などでも活躍してきた地元の男性3人がそれぞれの世界を表現。メキシコの画家で独特な色彩が特徴のルフィーノ・タマヨにちなんで名づけたたまよ会の女性5人は抽象絵画や立体のオブジェを展示した。たまよ会のグループ展は2回目だが、それぞれ全国的な美術団体に所属するなど活躍している作家で、広い会場で存在感を示していた。
▼同時開催で訪れた人は2つの展覧会で8人の個性的な表現を楽しむことができた。出品者同士が知り合いだったことから展示室を借りる前から日程を打ち合わせて決めていたという。
▼施設を使いこなして新たな表現の場にし、この空間ならではの作品を地元作家が創り出す。そんなことが可能になってきた。これからが楽しみだ。
(延安)
