コラム・エッセイ
泣いている本たち
翠流▼図書館の学校史の本からページを切り取る犯行が各地で見つかり、話題となったが、先日まで周南市中央図書館で開かれていた「泣いている本たち〜図書館マナーアップキャンペーン」に展示されていた破損した本は本好きでなくても「なぜ、公共物をこんなにできるんだろう」と思わずにはいられない、悲しい姿だった。
▼必要な記事だけを手で引きちぎった本や新聞、数ページ分がまとめて切り取られた本もあった。文章の周囲の空白部分を埋め尽くすような落書き、ほかにもしみがついたり、水に濡らしたり、ペットの犬や猫にかじられた本もあった。
▼キャンペーンは次に読む人のために、切り抜きや落書きをしないことはもちろん、飲み物や食べ物の水分、油は本の大敵で、雨に濡らすとかびの原因にもなること、傷んだ場合は本の修理専用の道具を使って補修するため、知らせてほしいなどと呼び掛けていた。
▼本は再購入できる場合もあるが、廃棄するしかなく、心ない行為のためほかの人が読めなくなってしまうこともある。周南市は合併前の旧市町の図書館が引き継がれている身近に図書館がある町。そのうえ、来年2月には新徳山駅ビルに新しい図書館もオープンする。新図書館は民間の運営だが、本が多くの人が利用する公共物であることはほかの図書館と同じだ。
▼図書館は読書会や子ども向けのお話し会なども開かれ、市民の交流の場でもある。この機能を100%発揮させるためにも、市民ぐるみでマナーの向上を目指したい。
(延安)
