コラム・エッセイ
ぜいたくな時間
翠流▼周南市の徳山駅周辺。大型ショッピングセンターやネット販売の普及で全国の商店街が衰退し、シャッター通りとなった街もある中、新しい街への再生が着々と進んでいる。
▼百貨店も映画館もなくなったが、県内最大級のライブホールや、年中無休で午後10時まで開いている駅前図書館など街の新しい顔が登場、多くの人を引き付けている。
▼商店街の魅力は買い物にとどまらない。交流室も併設された図書館は知識の取得や読書、市外からも若者が訪れるライブホールやライブハウスは音楽活動の拠点となっている。
▼音楽では昨年7月、PH通りにオープンしたPHカフェは“歌うピアニスト”髙橋正実さんがオーナー。おいしいパンやコーヒーが味わえるだけでなく、定休日の日曜と第3月曜以外はオーダーストップの午後4時半から閉店の5時まで高橋さんの演奏が楽しめる。
▼2階には作品展やセミナー会場に使用できるPHギャラリーもある。店内でライブが開かれることも増えている。高橋さんのピアノと歌の教室も開いていて、生徒に合わせてレッスン時間などを決めることもできる。
▼近くのパレット画廊では27日まで安野光雅展を開催中。絵本や挿し絵の原画作家として国際アンデルセン賞を受賞するなど日本を代表する存在の安野さんの作品を間近で見ることができる。ゆっくりと作品を鑑賞して洗練された飲食店でその余韻を楽しむ、ぜいたくな時間。街の新しい楽しみ方がこれからも増えてほしい。(延安)
