コラム・エッセイ
夢子さんのライブコンサート
晩期高齢者のたわごと 中村光子(周南市有楽町)郵便局へ1億円ばかり貯金しようと…おっと間違えた。友人から届いた自費出版の詩集に感動し、自分なりの感想文を書きポストに入れて振り向いたら、ばったり夢子さんに出会った、と言うより逢うべくして逢った。
「今晩、有楽町の喫茶“テン〟でライブをします。聴きに来て下さいませんか」
聞けば、毎月1回、ライブコンサートを開いているとのこと。その昔(何年前か失念)我が家に、時々立ち寄ってくれていた夢子さんは絵書き屋さんだと思っていた。
私がまだ若かりし頃、地域行事の手伝いをしていた。ある時、地域活動の様子を小冊子にまとめることになり、絵の上手な夢子さんに、中央地区の全体図をお願いした。淡い色でまとめた絵に言葉もなかったことを、今も鮮明に覚えているし、大切に原画を持ってる。
喫茶“テン〟に遠慮がちに入るとすでに来客であふれていた。そして、その人達は夢子さんの熱烈なファンであり、支持者であることを知った。
「10年間、変わらずこうして私達を応援し支えて下さり、本当にありがとうございます。皆様のおかげで、今日までこうして音楽を続けて来ることが出来ました」
と言う挨拶ではじまったライブコンサートは、2時間の生演奏のもと夢子さんが心の底から優しくうたいあげる歌声は、静かに、静かに、会場を包みこんだ。
あるひとは身体でリズムを取り、高い椅子に座した男性は、夢子さんとアイコンタクトをとりながら、床に届かない足をぶらぶらさせながら…。私と友人のハンチャンはビールをチビリチビリと飲み…いやいや、口にしながら、夢子さんの歌に酔いしれた。
ラストソングは、夢子さんの作詞作曲「共に(友に)」であった。
人をすきになることを 臆病になる時も 憎み合うことも いがみ合うことも みんな心のどこかで 後悔してることもある
よかれて思って がんばっても 誤解されることもある
そう、人生って色々あるから楽しいのです。私は夢子さんの語りかける歌に酔いしれ、うかれながら「そうだ、そうだ」と納得しながら家路に着いたのであります。
絵・杉川 茂
