2026年10月09日(金)

コラム・エッセイ

第十四手「囲碁というゲームの本質」

「碁」for it 小野慎吾

 今回は「囲碁というゲームの本質」についてご紹介します。

 囲碁というゲームは19×19のマス目でどちらがより多くの陣地を囲えるかを競うゲームです。発祥は中国と言われており、少なくとも2千年以上前から東アジアを中心に遊ばれているゲームです。囲碁の起源はいまだはっきりしていません。一説には中国で占星術の一法が変化・洗練されて今のゲームの形になったと言われています。

 日本での囲碁の愛好者の広まりは、戦国時代が盛んと言われています。戦のシュミレーションとして大いに好まれていたようです。織田信長・武田信玄、他多くの戦国武将が碁を好んだという記録が残されています。

 戦国時代に後のプロ制度ともいえる先駆者が存在しました。算砂(後に本因坊算砂)は織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の囲碁の師であり3人ともに算砂にハンデを貰って対局していたようです。その腕を信長に認められた算砂は時の名人の称号を名乗ることを許されました。

 さらに秀吉にも重宝され給与を貰うようになり、家康が将軍となった後は碁界を統括することを命じられました。戦国時代より、碁を打つ「プロ」という制度らしきものが出来上がり、現代に繋がっています。

 戦国武将が囲碁を好んだ理由は「囲碁というゲームの本質」に繋がっていると思います。囲碁というゲームは、負ける事に関してすべて自分の実力・責任となります。囲碁に負けると惨めさや悲哀、怒りを覚えるなどということが良くあります。子供たちも負けると涙を流し、悔しがる姿も多く見られます。囲碁を負ける事から自分の力の足りなさを痛感でき、頭脳と精神力を鍛錬できます。

 囲碁というゲームは自分の思うように行かない事の方が多くあります。思うように行かない事に対しての我慢、修正などを繰り返し、強くなっていくゲームと私は捉えています。また、囲碁を通して学べることに「取捨選択」があります。取捨選択したことが、結果的に自分にとって得にならない事は多く起こります。

 囲碁を通じてその経験を積むことが人生において有意義なことと思っています。多くの戦国武将は囲碁という戦場を疑似体験することにより、戦いの厳しさなどを認識、鍛錬するために打っていたのではないでしょうか。子供でも負けて泣くくらいの気構えがある子が、囲碁は強くなります。

 現代は、ほかに多くのゲームがありますが、負けて泣くほど悔しいと思えるゲームはあまりないのではないでしょうか。すべてが自己責任だからこそ、囲碁はやりがいがあり、思い入れができます。今後も囲碁は、世界中で年代を問わずに楽しまれるゲームだと思っています。

 次回は「囲碁で繋いでいくバトン」についてご紹介します。

 どんな時でも笑顔で「碁」for it(頑張る)!

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