コラム・エッセイ
第二十一手「子供教室での出来事」
「碁」for it 小野慎吾「中央棋院内での出来事①」を紹介する予定でしたが、子供教室での出来事で印象的な事があったため、変更致しました。
「いいいいい教室」での子ども達の囲碁の練習方法は主に子ども同士の対局です。その他に問題を解いたり、棋譜並べという囲碁のプロが対局したものをトレースする練習方法などをしています。
対局は2人で行い、必ず「勝つ側」、「負け側」が発生します。他のゲームと大きく違うのは「引き分け」の存在がほぼありません。特殊な状況で「引き分け」は起こりますが、その確率は1万回に1回起こるかどうかといった所です。筆者自身も、引き分けはまだ1、2回しか体験していません。
囲碁は必ず勝敗が付き、なおかつ勝敗の決定は実力以外の何物でもありません。たまたま勝ったという事は無く、自分自身の考えの元に着手しているため、負けに対して何も言い訳することが出来ません。
子ども同士の対局は、一人々々に日に4局以上打つ事を課題としています。そんな中、子ども達の対局で起こった出来事を今回は紹介します。夜も更け、帰宅時間が近づいた時に行う対局が「10秒碁」です。1手毎に10秒以内にお互い打たなければ時間切れになるという過酷な対局方法です。
この練習方法のいいところは、まずは気軽さです。囲碁対局はテレビで何となく見たことがある方も多いでしょう。ですが、1局の対局時間は1時間30分以上と大変長い時間かかります。どんなに早い方同士が対局したとしても30分はかかります。
それほど考える時間を要するゲームという事です。その点「10秒碁」はどんなに時間がかかっても15分はかかりません。早い場合は、5分以内で終わります。
他のいい点は気軽さもさる事ながら、「第一感」が磨かれる事です。普段対局をする場合は、思慮深く着手しますが1手着手し、しかも時計を押すという動作を含めて10秒以内で完了しないといけないため、ほぼ考えることは出来ません。
そのためこの対局はほぼ自分が一番最初に考え付いた手を打ち続けていきます。ゆえに決断力等も含めて上手くなって行きます。
「10秒碁」を実力がほぼ同じ女の子の生徒のSちゃんとMちゃんが打ちました。Sちゃんが内容で押し、勝ちの形勢まで築きました。終局までもう数手というところで、Sちゃんが着手を考えすぎて10秒以内に1手打つ事が出来ずに時計が切れました。
もう少しで勝ちだったSちゃんは、もの凄い悔しい表情になりました。勝ちだったものの時計が押せなかった事は自己責任である事はSちゃんも理解をしています。
この後、衝撃の展開は次回に続きます。
悔しさを力にして「碁」for it(頑張る)!
教室内のトロフィーと賞状
