コラム・エッセイ
第二十二手「子供同士の10秒碁②」
「碁」for it 小野慎吾前回のあらすじを少し紹介します。囲碁の練習方法で1手10秒以内にお互いに打ち続けていくという過酷な対局方法があります。その対局をSちゃんとMちゃんという子ども同士が打ち、Sちゃんが勝利を確実なものとしていましたが、最後は10秒以内に着手ができず、時間切れ負けになりました。
その後のSちゃんの行動は、先生としては大変うれしく感じる事でした。SちゃんはMちゃんに対して「もう1回10秒碁を打とう!」と自分が勝っていた囲碁を時間で負けたものの「言い訳」の一つも言わずにまた打ちだしました。
負けた時の理由としてよく聞くのが、「内容は完全に自分が良かったのに…」というのはよく聞きます。
負けた時の「言い訳」は、囲碁が強くなる時に重要な要素です。「言い訳」ができない場合、囲碁に対する思いは一般的な打ち手より低いかもしれません。
Sちゃんは言い訳をしませんでしたが、もう1回打とうというのが一種の「言い訳」です。それほど囲碁に対する熱い思いがあると感じました。
2局目の結果は…何と1局目と同じくSちゃんの時間切れとなりました。肝心の対局内容は、Sちゃんが勝っていたものの同じ負け方となってしまいました。
その後の行動は…「納得が行かない!もう一局打とう!」となりました。この行動力が身につくことが囲碁の良い所です。勝ったMちゃんも淡々と勝負を受けるところが良い点です。
囲碁は「ゲーム」の一つですが、「勝負」といった観点からいうと「勝てるときに勝ち続けるのが良い」と私は考えています。他のゲームは最善の行動を突き詰めて行くのが良いとされていると思います。
「囲碁」の場合もその観点は非常に大切な事ですが、「対人戦」である以上、それ以外の事の方が重要と考えます。
「この人は、自分より強い」「強いから対局すると負けるだろうなぁ」と思ってもらうことが勝つことの秘訣だと思います。
1回勝つだけでそうなる事はあると思いますが、連続で勝ち続ける事が対戦相手の心を折る事になります。
3局目となった対局は、Sちゃんは悔しさからくる自分への怒りで着手していた事は隣で見ていた私はわかりました。全てノータイムで打っていました。2局目はその怒りが「強さ」に変わっていましたが、3局目は怒りが「冷静」さを失うものとなりました。
最後は、「対局内容」でも負けてしまい、投了となりました。
続きは次回とさせて頂きます。
今年も囲碁で「碁」for it(頑張る)!
子どもたちの作った雪だるま♪
