コラム・エッセイ
第二十八手「コロナ禍の大会の在り方②」
「碁」for it 小野慎吾囲碁アマチュア大会は、通年4月〜12月の間に主流の大会が開かれます。コロナ禍で去年は山口県内では大会は一つも無かった事は前回お伝え致しました。全国的にどういう状況かと言うと開催されない事の方が多いですが、去年でも開かれた大会は少なくありません。
一番多い開催方法は「オンライン大会」です。所定の「オンライン囲碁サイト」を使用し、そこに参加する者で争います。通常の対面で行う大会よりは規模は小さいものの、全国各地から一斉に打つ事が出来るため、レベルは非常に高いものとなります。
筆者も先月、オンライン大会の全国大会に出場しましたが、内容も濃く参加して有意義だと感じました。ですが、オンライン大会をする中で気を付けていかなければならない問題があります。それは「AI」(人工知能)を使用しないという事です。2016年3月にAIが人間のプロトップ棋士を倒して以降、AIは進化を続けています。2021年現在、人間を超えた棋力である事は明白で、市販されているAIソフトでもプロ棋士の実力より高いものとなっています。
オンライン大会の良い所は、自宅でも打てるという事ですが、実際にプロ・アマ問わずに自宅のパソコンにAI囲碁ソフトを搭載している方は多い事でしょう。大会中にこのようなAI囲碁ソフトを使用すると、誰にも負ける事は無くなります。ただし、普段の実力より遥かに強いレベルであるため、観る人が見ればAIを使用している事はわかります。
大会中にAIソフトを使用した場合は無論「失格」です。去年もアマチュア大会後に調べてみるとAIとの一致率が高く、不正をしたという事で失格になった選手がいたと聞きます。
プロの世界でも、韓国でAIを使用して勝利したため、1年間の出場停止になったというニュースが昨年ありました。他にもプロになるための試験中にAIを使用して失格になったという事もあります。このニュースから感じる事は「人間は心に弱みを抱えている」と感じます。
今まで「囲碁」は正解が分からない中、自分が信じる正解を相手と調和しながら行うゲームでした。昨今、AIの登場により限りない正解が出てきた事により、「正解」の数をより多く出したプレイヤーが勝つゲームと変貌した感じがします。そのため、このような弱みも出てきたのではないかと個人的には思っています。
オンラインも良いですが、やはり囲碁の醍醐味は直接対戦相手と向かい合い、囲碁というゲームの中で会話をしていくのが非常に大切だと考えます。今後、オンライン大会はどのように開催していくのかが課題点です。
自分を信じて「碁」for it(頑張る)!
山本賢太郎プロによる指導(大会中)
