コラム・エッセイ
第三十二手「囲碁昔話③」
「碁」for it 小野慎吾囲碁愛好家が囲碁を打ちに行く場所が「碁会所」です。今回も30年前以上昔に碁会所で合った日常などをご紹介します。
囲碁の対局中でも、皆さんの手が止まる瞬間があります。通常であれば、「何か良い手がないか?」「どうすればいいのか?」等で止まるのですが、子供の頃それ以外でも止まる瞬間はありました。
それは「相撲」「野球」の中継時です。「相撲」を見る方は多く、大一番などになると皆さんが碁会所のテレビの前に集まり、対局は一時中断です。相撲の勝敗がつくと「今場所は○○が強い。」等などの感想を言い、数分後自分の対局に戻るといった光景です。
子供の頃、相撲を見る事にあまり興味はなく「早く打てばいいのになぁ・・」と思っていた事が懐かしいです。(笑)
「野球」の中継時も同様に、甲子園・プロ野球などの試合進行が碁会所のテレビで流れている事は当たり前です。筆者が見たいアニメ・囲碁の番組などに変えると、おじいちゃんより怒られていました。自分が大人になった今、相撲も野球もそれなりに観るようになり、その時の皆さんの心情がわかるようになりました。
次の話に移ります。囲碁というと、対局中は静かに打つゲームです。ですが、気が合った同士の碁の友人が打つと、喋りながらする事は大変多いです。
皆様独自の「囲碁用語?」が有り、それを聞くのが子供の頃は大変楽しみでした。筆者が徳山中央棋院で打っていたおじいちゃんの口癖がありました。「この碁はタランチュラや」「あかん、タランチュラやから投了」などを毎局の様に言います。
これが筆者にとって大変面白かったです。どういった意味ですか?と問うわけにもいかず、毎日聞いていると意味が理解できました。「囲碁の領地が足りない」という意味で、より面白くなり自分でも使うようになりました。
他のプレイヤーでは「これが私のバテレンの術!!」などと言いながら着手してくる方も居られました。バテレンと言う意味は何となく知っていたため、とんでもない奇術かと思うとそうでもなく、囲碁自体は自分の方が勝ってしまい面白かったです。(笑)
数十年前の話なので、その方々のお名前は忘れていることは多いですが、そういったその方達の口癖はいつまで経っても忘れません。
今の徳山中央棋院でもそのような光景は良く観られます。面白い言葉、ニュアンスが多いですが、時が経って考えてみると意外と深い意味が込められているのかもと思うようになったのは歳のせいかもしれません。
現在、皆さんが良く言う「囲碁用語?」についてはまたの機会にご紹介します。
言葉を通して「碁」for it(頑張る)!
子供大会の盾
