コラム・エッセイ
第二十四手「日常の出来事①」
「碁」for it 小野慎吾「徳山中央棋院」は昨年9月に移転してから半年近く経ちますが、チラホラと新しいお客様もいらっしゃり有難い限りです。そんな中、印象的であったお客様方がいましたのでご紹介させて頂きます。
そのお客様は20代前半の男性二人組でした。「碁会所」に若い人が来ることは珍しく、お聞きすると「囲碁自体はネット・携帯などを使って練習はしていて、実際に対局するのは初めてです。」との答えが来ました。友人と対局するのが楽しみだったようです。
二人が来られたのがちょうど午後2時くらいで、初めての対局は大熱戦になり終わったのは4時過ぎでした。2時間以上かかる対局は珍しく、所々拝見したところ初めての対局とは思えないほどの内容でした。
対局が終わった頃に「いいいいい教室」のSちゃんがちょうど来ました。Sちゃんは初めて見たお兄さんに対して「初めて見たけど、初心者さんなの?」と言いました。二人組の青年達は「対局自体は終わった感じがするけど、これからどうしていいかがわからない」と答えました。囲碁は対局が終了した後に「計算する」という事が必要になるゲームです。囲碁は領地ゲームのため、自分と相手の領地数を明確にする必要があります。
例えるなら全国各地に領地があるとしたら、それを整理してだれの目から見てもわかる領地の大きさにする作業が囲碁の中で行われます。その作業を「並べる」と言います。
Sちゃんは「初めてなら私が並べてあげる」と言い、「並べる」作業を綺麗に行いました。二人の青年は勝ち負け関係なく、いい対局が打てたことで満足していたように思います。疲れたため、その1局で休憩に入りましたが、青年達とSちゃんの囲碁談義は続きました。
Sちゃんは「強くなるためには〜〜〜」と言うと青年たちは「勉強になります。先生」と言った形で微笑ましい図でした。自分が強い事をアピールしていたSちゃんですが、最後には青年達から「先生、口が悪いっすね(笑)」と言われており、それを聞いていた私は思わず笑ってしまいました。
青年たちは帰り際に、「大変面白かったのでまた来ます。」と言って去られました。Sちゃんにとっても良い経験になったかと思います。こういう素敵な出会いが少しずつ増えればいいなと願うばかりです。
次回も日常の出来事についてご紹介させて頂く予定です。
素敵な出会いに「碁」for it(頑張る)!
堀本プロと広島県代表の真剣対局
