2026年04月16日(木)

コラム・エッセイ

第三十八手「囲碁界の後継者問題①」

「碁」for it 小野慎吾

 今回は深刻な問題について考察したいと思います。2020年からコロナウィルスの影響で日常生活が一変しました。それから、囲碁を打つ場所の「碁会所」を閉店したという連絡は、少なくとも5件以上は聞きました。15年前位の情報では全国で碁会所は2千近くあると言われていました。それ以降、増えている事は考えられず今では千以下ではないでしょうか。

 山口県も例外ではなく、囲碁の知り合いより下関市は2つの碁会所が在りますが、年内にてその内の1つが閉店されるという事でした。もう1つの方は様々な大会が行われる大きな碁会所です。その碁会所の店長は84歳で、高齢になり後継者問題が発生しています。その碁会所には平日4〜5人くらいの入場者が居られる様です。

 家賃と人件費を払われるとカツカツ位で、むしろマイナスになる月の方が多い様です。

 収入のために碁会所をしているのではなく、来て下さるお客様のために碁会所を開いているという義務感が強いものだと思われます。碁会所の形態は特に定休日は無く、店長は毎日開けなければなりません。徳山中央棋院の前の店長は、正月1、2日以外は全てオープンされていて、今考えても頭が下がります。

 碁会所の懐事情自体、前記の様に苦しい形態が多く、休みが多い業種ではありません。そのため囲碁を職業として夢を持つには、現状あまりにも生活していく上では未来がないと言える状況です。地方の碁会所においては、自宅を改装して自宅兼碁会所にしていくケースが多くあります。理由としては、家賃の固定費がかからない事が言えるでしょう。碁会所は家賃の負担が大きく、これが解消できれば何とか黒字になるケースも珍しくありません。今後はそのような営業形態が増えていくものと思われます。

 ですが、楽しい点も多くあります。まずは人との繋がりです。囲碁はグローバルなゲームのため、日本人以外の人とも友達になれます。私自身もアメリカの友人が二人出来、趣味の友は一生の友と思っています。それがキッカケでアメリカにショートホームスティが出来たことも一生忘れる事はないでしょう。

 囲碁を習いに来る子どもたちの存在も大きく、子どもたちがどんな将来になっていくかを見守れる事はうれしいです。

 前記2つの楽しい点は、囲碁をずっとしていると見えてくる事であり、始めたばかりの人ではそういう点に気づく前に囲碁を辞めていく事が多いと思います。

 将来の人達のためにも、そういう楽しい点がありつつ、生活が出来る水準に上げる事が今囲碁界に携わっている責務だとも感じています。

 現状、囲碁を仕事にしていくのは良いものだと、自分自身ではオススメ出来ません。

 人に勧める事が出来るように自身が精進したいです。

 場所を守るために「碁」for it(頑張る)!

広島県の一般大会開始前風景

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