コラム・エッセイ
第七十二手 「熊本からの挑戦者①」
「碁」for it 小野慎吾昨年末、熊本県の中学3年生から碁会所に電話があり、その用件は「筆者と対局をして挑戦したい」というものでした。よくよく電話で聞いてみると昨年の全国大会で筆者と対局をして、運よく筆者が勝利を収めた選手でした。
筆者はこのような挑戦者が現れれば全て対局は快く受けることにしています。昨年、惜しまれながら亡くなられましたアントニオ猪木さんは「いつ何時、誰の挑戦でも受ける。」という名言を残されており、筆者はこの言葉が好きです。
熊本県のKさん(上記中学3年生)は12月24日〜1月9日までが冬休み期間のため、1月6日に熊本から新幹線で周南市に移動し、対局をする約束をしました。
年末の電話の後、Kさんのお母様からもお電話があり「うちの息子は、だいたいの全国大会は一人で移動をしています。今回も山口県であれば息子一人で行きますので宜しくお願いします」という内容でした。
だいたいの全国大会は東京都で行われるため、熊本から中学生が単身一人で挑戦する姿は素晴らしいと思います。
またKさん自身に携帯電話は持たせてはいないということでしたので、お母様の携帯のショートメッセージで詳細な日時、待ち合わせ場所を決め当日を迎えることになりました。大会で1回対局しているものの名前と顔の一致はあまりしていない状態(汗)であったため、無事にお互いにわかるものかと思いましたがそこは大丈夫でした。
実際に会ってみたKさんは高校生、大学生と言っても疑わないほど大人びていました。それは囲碁を通して一人でこのような行動をすることで身に付いた雰囲気だと筆者は思いました。
昼前の新幹線で周南市に到着し、16時30分頃の新幹線で熊本にかえるということでハードスケジュールです。囲碁の実力を上げる機会があれば積極的にいつも動いているとKさんは教えてくれました。
せっかくなので当教室生で実力1、2位の生徒と2局同時対局で教えていただきました。ハンデは貰ったものの1勝1敗で山口県と熊本県の子ども?対決は引き分けといった所でしょうか(笑)
上記対局後に、筆者と持ち時間40分でノーハンデの真剣対局を1局しました。昨年、全国大会で対局した際も強いとは感じましたがKさんの打ち方が更にその時より洗練され、プロの様な手が多く散見されました。
どちらが勝つとも言えない互角の内容が中盤過ぎまで続きましたが、筆者が得意な終盤を迎えると一気に差が開き始め、最後は筆者の中押勝ちになりました。
その後、様々なアドバイスを彼にしました。その内容も含めて、長くなりましたので(笑)次回のコラムで続きを紹介します。
いつ何時でも誰の挑戦でも「碁」for it(頑張る)!
KさんVS生徒(2面打ち)
