コラム・エッセイ
第九十一手 「囲碁のプロ棋士になるためには③」
「碁」for it 小野慎吾表題の件は、以前第三十四手、第六十七手のコラムで「囲碁のプロ棋士になるためには①、②」を紹介しました。今回、この件について触れなければならない出来事が自身の囲碁教室で起こりました。それは、自身の教室で一番強いUさんが「プロ棋士を目指す」と決意し行動に移したからです。
今一度、囲碁のプロ棋士になる方法について紹介します。まず例外を除いて「日本棋院」もしくは「関西棋院」の院生になる必要が有ります。誰でも院生になれるわけではなく、年齢制限は14歳になる年度末まで、必要な囲碁の実力はインターネット囲碁で六段以上です。毎年、1、4、7、10月の4回募集をしており、院生志願者は必要書類を用意し、書類審査、試験碁、面接を受け院生の合否が決められます。
院生試験に合格すれば、ようやく囲碁のプロ棋士への登竜門が開かれます。
「日本棋院」の院生は東京本院、中部総本部、関西総本部と3つの組織に分けられています。それぞれの組織内で、院生同士が試合をして、定められた時期に1位になった院生のみが晴れてプロ棋士になります。毎週土日に院生同士で試合をする「院生手合い」が行われ、そこでの試合成績で順位付けされるシステムです。
3つの組織があるため、院生内では毎年3人はプロ棋士が誕生している事になります。院生に所属していなくても、プロ棋士になる採用試験(試合)はありますが、院生もその採用試験は受ける事が出来るため、単純に院生になっていた方が囲碁のプロ棋士になる機会は多いです。
冒頭、登場したUさんは中学1年生で現在12歳です。※2023年11月時点
まずは上記3つの組織のどこに所属するかを決めなければなりません。東京本院は東京都、中部総本部は愛知県、関西総本部は大阪府にあります。毎週土日に「院生手合い」があり、必ず参加しなければなりません。山口県に居て通える場所となれば、一番最寄りは関西総本部(大阪府)です。それでも近いとは言えませんが……。
通うとなった場合は、新幹線の往復費用、1〜2日のホテル費用等が毎週発生する事になります。これはとんでもない費用です。地方に住んでいる者が、院生に所属しているケースはとても少ないです。それは費用面の問題があるからです。東京本院は2023年11月時点で46名の院生が所属しています。出身地が関東圏以外の者は10名もいません。
そのため、囲碁のプロ棋士は東京、愛知、大阪府に近い県に住んでいないと費用面で、まずはふるいが掛けられているという状況です。
次回もこの出来事を中心に「日本のプロ棋士になるためには④」を紹介する予定です。
地方勢が不利と言われないように「碁」for it(頑張る)!
誰もいない囲碁教室
