コラム・エッセイ
第九十九手 囲碁教室の本質①
「碁」for it 小野慎吾一言に「囲碁教室」と言っても様々な形態があります。まずは、囲碁未経験の方に対して1からルール等を教える「初心者囲碁教室」です。0から1にする教室のため、その役割は非常に重要です。次に「初級者・中級者囲碁教室」です。囲碁のルール自体は簡単ですが、ルールを覚えただけで勝利をするのは非常に困難です。この辺りが、囲碁が難しいゲームと言われる所以かも知れません。
初級者囲碁教室は囲碁のルールを覚えた方から1級前後の方が対象になるイメージです。1桁級くらいになると自身の囲碁に対して少し自信を持つ事が出来、また勝利パターンも確立出来るようになります。最後に「有段者・高段者教室」です。有段者を超えてくると、うまくなるために様々な定石等の知識が必要になります。様々な戦略を講師の方が教える事で勝利パターンが増えていく流れです。
囲碁の棋力向上に対しての教室は大まかに上記3パターンに分かれます。その中で子どものみ対象、女性のみ対象とした教室もあり、ぞれぞれの教室の特色が出ます。筆者自身は「子供教室」を主としています。対象は初心者から高段者まで受け入れることが出来る態勢を取っています。現時点では、幼稚園生が二人習ってくれており、まだまだ囲碁の未来は明るいと感じる事は多々あります。
自身の教室は、囲碁をあるていど練習した後は、子ども達の自由時間を設けています。指導者として、あれもこれも教えたいと言う時期はありましたが、それは自己満足ではないかと考えた事があります。始めたばかりの子ども達は、一つ一つ丁寧に覚えてもらい、囲碁を楽しんでもらう事が最優先だと子供囲碁教室を始めてから数年して気が付きました。テレビゲーム、カードゲーム、学校の宿題等、囲碁の練習が終わると子ども達は様々な事をします。
比較的緩い(?)子供囲碁教室ですが、数点だけ厳しい態度で指導する所があります。それは囲碁対局前後の挨拶です。対局開始前は「お願いします」▽対局終了後は「有難うございました」は囲碁の基本礼儀作法です。また、対局中どうしても勝ち目がなくなった場合、最後まで打っても負けの事実は変わりません。そのため囲碁では途中で投了(意味=一方が負けを認めて勝負を途中で終了すること)をする事は少なくありません。投了の意思表示については「負けました」と負けている側自身が言わなければなりません。
最初、子ども達の多くは「負けました」と言う事に慣れていません。負けを認める事を意思表示することは、日常生活で少ない経験ではないでしょうか。生徒に寄り添い、最初は筆者自身が生徒に変わりに対戦相手の子に伝える事は珍しくありません。また、負けた時に泣き出す子も珍しくはありません。
悔しさを表現する事は囲碁を強くなる秘訣です。それでも最後は「有難うございました」と終わる事は非常に重要な礼儀と捉えています。
次回はいよいよ100回目のコラムとなります。
信念を持って「碁」for it(頑張る)!
小学4年生 VS 中学1年生(大会で同門対決)
