コラム・エッセイ
第百四手「懐かしい対局」
「碁」for it 小野慎吾近年、山口県囲碁界は囲碁の強豪が亡くなる知らせが増えました。そんな中、筆者が大学時代に同大学・他大学の方が2人、山口県に移住して来ました。1人は立命館大学の男性の後輩で、仕事の転勤で山口県に移住して来ました。たまたま、彼が周南市の碁会所に囲碁を打ちに来た時に再会しました。大学卒業後から約20年経った今、彼は結婚をし、娘さんも授かっており幸せ一色です。
碁会所で再開したため、彼と囲碁を打つ流れになったのは必然です。大学時代の彼は、囲碁を打つ時は長考派でした。お互いに40歳前後になった今、それが変わっていたかと言うと全く変わっていませんでした。(笑)その対局に対して自分が持てる最大限の力を発揮するため、彼は長考していると思っています。その対局が終了したのは対局してから約2時間後でした。
彼は長考派だけでなく、囲碁においてもう一つ特徴があります。それは部類の検討好きである事です。検討とは対局後、あの場面でこう打っていればなどを調べて行き、棋力向上を図る事です。大学時代に彼は部内でも検討を一番長く検証する人でした。それは全く変わっていなく、検討だけでも1時間近くかかりました。
色々、環境は変わりましたが彼の「囲碁」は全く変わっていなくて安心しました。彼は元々、関西の方のためいずれは関西に帰っていくのでしょうが、それまで県内の囲碁界を盛り上げてくれる一人になる事でしょう。
もう1人は、慶應義塾大学出身で同年齢の囲碁の強豪の方が山口県に来ました。彼とは大学時代、全国大会で打った事があり今でも忘れられない負け方を喫しました。そのタイトル名は「学生王座戦」と言うもので、優勝者と準優勝者が大学生だけで行う「世界学英王座戦」に進む事が出来ます。大会開催場所は日本、韓国、中国等のアジア圏内でその時は確か韓国で行われる予定だったと記憶しています。
筆者がその彼と対局したのは準決勝戦であり、勝てば海外行きが決まる一戦で気合を入れて挑んだ記憶があります。その時の対局は紆余曲折がありながら、終盤を迎えた時に明らかに筆者が優勢でした。終局まで後10手程度の時に事件が起こります。筆者が必ず相手が守らないといけない手を打ち、それを守らせてから別の場所に打つ予定でした。
ところが、相手が守らないといけない場面の時にその付近で更に相手が筆者に対して守りを強要する手を打ってきました。ですが、そこら辺は相手が守ったものと思い込んでしまい、予定通り別の場所に打ったところ、彼から「すみません…」と言われながら逆転の手を打たれてしまい、筆者の敗北になりました。以来、その負け方は20年以上引きずっています。(笑)
この前、彼と会った時に上の出来事を覚えていますか?と聞いたところ、いえ覚えていません。と返って来ました…勝った側はそんなものですよね。(笑)
勘違いをしないよう「碁」for it(頑張る)!
北九州囲碁センター(子供教室)
