コラム・エッセイ
第百二十九手「囲碁教室の教え方①」
「碁」for it 小野慎吾筆者は囲碁を子ども・大人の方に教え始めたのは約15年前です。会社員と兼業で教えていたのは10年で、会社員を辞めて専任で教えるようになってからは5年が経とうとしています。最初は大人の方が1人、子どもの方が1人の囲碁教室でした。今では月に大人の方が7〜8人、子どもの生徒が15人前後は習いに来て下さる教室になりました。
囲碁教室を始めた当初は生徒さんに対して「今日はこれを練習しよう」「この問題等をプリントして貰おう」等を毎週考え、念頭に教材を用意していました。ですが、なかなか思い描いた道理に教室が進むパターンはほぼありませんでした。
それもそのはずで、用意した問題を解くスピード、その他練習にかかるスピードは人によってまちまちです。時間がかかって用意した教材まで進まない、または進み過ぎてその日の教材がなくなるという事もあります。わからない問題等については囲碁の盤面を使って個別で説明し、何がわかっていないかを生徒に質問をして同じ悩みを共有するようにしていました。この考えは今も同じです。
専業になる頃には生徒は10人以上になり、囲碁の盤面を使って個別で対応していると全員に教える時間が足りなくなるケースが出てきました。そこまでは教材に使っていたのは本や本をコピーしたプリントを取り組んでいました。
本の場合は答えを書き込むものが多く、教室が終わった後に消しゴムで答えを一生懸命消し、次回にまた使える状態にします。そのため同じ本を数冊購入するのは珍しくありません。
そこで、約5年前からタブレット端末を用意し、その中で囲碁の問題等を購入してするようにしました。本の場合は、生徒自身で問題を「ヨミ」(先を見通す)答えを記入しなければなりません。わからない場合は筆者が囲碁の盤面に問題を作り、「こうしたら相手がこうくる」等を一緒に考えるようにしています。タブレットの場合、例えば黒番の問題であれば、黒の答えを押せば白番の応手はタブレットが自動でしてくれます。
本と比べて「ヨミ」の思考が少し簡単になります。どちらがいいかは一概には言えませんが、答えを「覚える」というのも囲碁上達の近道の1つです。筆者が大学生時代、1つ上の先輩で同じくらい強い方がいました。その方が囲碁問題を解く姿を見ていたら「この問題は知っているから正解出来る」というスタンスでした。初めて見る問題は間違う事は多かったですが、2回目以降の問題は必ず全て当てていた印象です。
今までは答えは「ヨミ」で出すものだと思っていた筆者にとっては衝撃的な出来事でした。始めた頃は先を見通すのは難しいです。答えを覚えるという形から入り、後から自然とヨミが上達するというケースは多いです。
これからも囲碁教室を「碁」for it(頑張る)!
白先白生(タブレットの問題)
