コラム・エッセイ
第百四十手「囲碁研究会での出来事①」
「碁」for it 小野慎吾第138手目で、福岡の新囲碁研究会「とんぼ会」に筆者と生徒3人で参加したのを紹介しました。その研究会内で生徒と他教室の生徒の会話で面白いやり取りがありました。
当教室生の小学生M君と他教室の小学生が研究会で初対局をしました。両者、初段以上の実力です。対局は激戦の末、他教室の小学生が勝利しました。勝利した小学生が対局後にM君に「検討をしませんか?」と呼びかけました。※囲碁で「検討」は対局後にお互いに1手目から打ち直し、ここが良かった、ここが悪かった等の意見を言い合い、囲碁の理解度を互いに深める事です。
検討の呼びかけに対してM君は「ん?ん?検討って何?」と答えました。(近くで対局をしていた筆者は、検討は教えたことあるよ〜と思いながら聞いていました)(笑)
更にM君は「検討・・?ああ、もう一回俺と戦いたいって事?」と答えて、思わぬ返答に検討を申し出た小学生はたじろいでいる様子でした。(まさか検討の意味が伝わらないと思ってなかったでしょうし、負けた相手の方が何故か上目線的で戦いたいと言ってくるとは・・・という感情だったのではないでしょうか?)(笑)
そして一番肝心なのはM君がまだ検討は出来ません。1手目から自分がどう打ったかを覚える能力「並べなおし」はだいたい初段から三段の間に出来るようになる事が多いです。昔はだいたい初段ぐらいになれば過半数が「並べなおし」が出来ていたイメージですが、強くなる方法が確立した現代では「並べなおし」「検討」が昔より重要視されていないせいかも知れません。
筆者はその会話を聞いて対局中でしたが思わず笑ってしまいました。その会話から少し時間が経ってからその二人を見てみると再度対局をしていました。再度の対局で他教室の小学生が碁石を持って打とうとして、結局打つところが決まらずに碁石を碁笥(碁石の入れ物)に戻しました。
囲碁を習った方だとわかりますが、打つところが決まったら碁石を持ち、そこに目掛けて打つのが一連の所作です。碁笥の中に手を置いてじゃらじゃら音を鳴らす、碁石を持って戻す等はマナーの関連においてあまり良くないとされています。その小学生は「失礼しました。」と言いました。(マナー的に悪かったと思ったのでしょう。囲碁が上手くなってくると言う人が多くなる印象です)
それに対してM君は「ん?ん?何が失礼しましたなの?ああそういう事、俺は全然気にしないけど」と答えました。再度思わぬ返答に小学生はたじろいでいた様子でした。2回目の対局は当教室の生徒が勝利した様です。
何気ない会話でしたが、M君の純粋さと囲碁のマナーを考えさせられる出来事になりました。
純粋さを失わない様に「碁」for it(頑張る)!
囲碁研究会の様子(博多)
