コラム・エッセイ
(34)カンテラ
再々周南新百景 佐森芳夫(画家)カンテラを知る人も、少なくなったに違いない。名前を聞いたことがあったとしても、実物を見たことがない人も多いかもしれない。それは、カンテラが本来の役割を終えて、かなりの時間が過ぎたことによるだろう。
今回、地元の人の尽力によって、一台のカンテラを見つけてもらうことができた。全体にサビや腐食が見られる古いカンテラであるが、実際に、鉱山内で照明として使われていたであろうと思われる貴重なものである。
カンテラの仕組みは、いたって簡単である。燃料となるカーバイドを下部に入れ、上部から水をたらすことでアセチレンガスを発生させる。噴き出したガスを燃やすことで明りにする。明るさの調整は、水の量で行う。
カンテラは、高さ約15センチ、直径約6.5センチという小ぶりである。上部には、水の量を調整するツマミと水の補給口があり、中央部にはガスの噴き出し口がある。カンテラには、吊り下げるための金具もつけてあった。
これを使っていたのは、明治から昭和にかけてアンチモン鉱石を採掘した鹿野鉱山である。周南市鹿野の奥大町から坂根の一帯で操業した鹿野鉱山は、日本一の産出量を誇ったこともある全国的に有名な鉱山であった。
多くの鉱山跡がある中でも、これほど産業遺産にふさわしいと思える鉱山は他にはない。少なくても、資料館があって当然と思うが、閉山から70年近くが過ぎた現在に至っても、残念ながらその気配は感じられない。
また、鉱山の位置や沿革、操業についての基本的な資料は残されているものの、操業当時の風景や鉱山で働いていた人達の生活実態、作業内容、使用工具、鉱石などについては、全くと言っていいほど残されていない。
地域の高齢化と過疎化が進み、古いものが急速に失われている現状では、今さら手遅れと言うべきであろう。それでも、今回見つかったカンテラのように、発見されることを待っているものが他にあるかも知れない。
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