2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

(70)夏夕べ

再々周南新百景 佐森芳夫(画家)

 今年の梅雨明けは、平年よりも22日早い6月27日であった。このまま梅雨明けが確定すれば、統計が開始された1951年以降で最も早い梅雨明けとなるらしい。これまでの早い梅雨明けの記録は、7月1日であった。

 梅雨が明けてからは、予想されていた通り、晴天の日が続いている。本来であれば、雨が降り続くこの時期である。このまま晴天の日が続けば、いずれ水不足となるのは明らかであろう。農作物への影響が心配である。

 さらに、その不安に追い打ちをかけるかのように、連日のように暑い日が続いている。最高気温が30度以上の日を真夏日というが、それどころか、最高気温が35度を超える猛暑日が、ごく当たり前のようにやってくる。

 危険な状態といわれ、できるだけ外出をひかえる毎日となっている。しかし、外出をひかえたところで家の中に居場所があるわけではない。すでに、最近の暑さの中では、日陰で涼むといった言葉が死語となっている。

 かっては、冷房の風にあたると気分が悪くなると公言することができていたが、たとえそうであったとしても、熱中症になって救急車で運ばれた場合には 世間知らずで常識のない愚行として受け止められかねない。

 仕方がないので、冷房を入れた部屋で過ごすことになる。それが、電気代に影響しないのであれば問題はないが、翌月の引落としが気になるのは当然であろう。熱中症警戒アラートが出ないことを願うばかりである。

 いつもであれば、太陽が西の空に沈んでいった夏の夕ぐれどき「夏夕べ(なつゆうべ)」になると、あたり一帯にひんやりとした空気がわずかに感じられるはずである。ところが、最近はその気配が感じられなくなった。

 大気の温度が上昇しているのであろうか、それとも乾燥しているのかもしれない。ひとすじの飛行機雲でさえもが、気温が下がらないまま、最低気温が25度以上の熱帯夜をむかえることを知らせているように見える。

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