コラム・エッセイ
(75)ゴーヤ
再々周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
今年、ゴーヤを畑で栽培してみた。これまで、何度か日除け対策としてプランターでゴーヤを栽培したこともあったが、本格的に畑で栽培したのは初めてである。栽培とは言っても、苗木を買って植えただけであるが。
ところが、その結果はかなりの違いがあった。その大きな違いが、管理の手間であろう。プランターで栽培する場合には、こまめな水やりが必要であるが、畑に植えた場合は水やり作業をかなり省略することができた。
さらに、収穫できるゴーヤの数にも変化が見られた。気象条件や降水量などについて正確に比較したわけではないが、地植えにした方が収穫量が飛躍的に向上したように感じられた。果実の生育もはるかに良かった。
ツル性の一年草であるゴーヤは、沖縄ではゴーヤーと呼ばれているようであるが、購入した店舗ではニガウリの名前で売られていた。そのニガウリという名前が表しているように、まさに果肉の苦さが特徴といえる。
野菜にとっては苦いといった欠点がありながら、沖縄料理のゴウヤチャンプルーが有名になったことによって、またたくまに全国に広まっていった。それでも、ゴーヤ独特の苦みが苦手という人が多いかもしれない。
ゴーヤ好きな人からすれば、独特の苦みを味わうことこそ王道であり、苦みを消した食べ方は邪道に過ぎないと批判を受けるに違いないであろう。そんな批判を気にすることなく苦みのないゴーヤを食べる方法がある。
それは、黄色く熟した果実を食べるといったきわめて簡単な方法である。ゴーヤは完熟すると、シャキシャキとした歯ごたえや苦みは失われるが甘さが増してくるため、生のままでも食べることができるようになる。
しかし、完熟したゴーヤは、一般の店頭では販売されることがほとんどないので、入手することが難しいかもしれない。赤いゼリー状の種皮の甘さを味わえるのも、ゴーヤを栽培する者だけに与えられる褒美であろう。
