2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

(76)ヘチマ

再々周南新百景 佐森芳夫(画家)

 「糸瓜」と書いてヘチマと読む。その名前の由来は、もともとイトウリと呼ばれていたものがいつの間にかイが省略されてトウリとなり、トの文字がいろはのヘとチの間にあることから、ヘチマとなったと言われている。

 そのまま、素直に受け入れることができないような由来であるが、子どものころには、ほとんどの家がごく当たり前のようにヘチマを栽培していたこともあり、その名前について疑問を感じたことなど一度もなかった。

ヘチマと言えば、やはり熟したヘチマから取り出して作られたタワシであろう。台所や風呂場で使用されていたが、時代の流れとともに次第に化学繊維で作られた新しい製品に活躍の場を奪われ、姿を消していった。

 タワシ以外にも草履(ぞうり)や靴の中敷きなど天然素材としての利点を活かした使われ方をしていたが、その他にも、ヘチマのツルから採ったヘチマ水は化粧水や咳止め、利尿薬としても活用されていたようである。

 結核により34歳で亡くなった正岡子規の絶筆三句、「糸瓜咲て痰のつまりし佛かな」「痰一斗糸瓜の水も間に合はず」「をとゝひのへちまの水も取らざりき」にも、咳止めとして利用されていたことが詠まれている。

 明治時代には結核の治療に有効な方法がなかったことから、ヘチマ水が治療薬として使われていたのであろう。ヘチマ水とのつながりから、正岡子規の命日である9月19日は「糸瓜忌(へちまき)」と呼ばれている。

 糸瓜忌を少し前にした今の時期には、ヘチマの花が次々と咲いている。一日花のヘチマの花は、夕方ごろまでにしぼんで落下するが、翌朝になると黄色い花びらを広げている。いったいいつ咲くのかは、不明である。

 そのヘチマの花の見どころは、やはり、意外なほどの花びらの大きさであろう。そのほとんどが直径8㎝以上になるほどの大輪である。また、オスの花とメスの花があり、それらが同じ株に咲くのも珍しいといえる。

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