2026年04月11日(土)

コラム・エッセイ

(番外編)再々から補へ

再々周南新百景 佐森芳夫(画家)

 「再々周南新百景の旅」が終わった。菅野ダム湖が渇水の時にだけ姿を目にすることができる「樸玉の滝(あらたまのたき)」から始まった旅は、安徳天皇が祀られている下関の「赤間神宮」で無事に終わることができた。

 いずれの風景も忘れがたい貴重なものであるが、そのなかで特に印象に残っているのが「幻の金山」であろう。周南市夜市で長年にわたって探し続けていた幻の鉱山と思われる洞穴を発見できた喜びは格別であった。

 さらに、テレビ朝日の「ナニコレ珍百景」に取り上げてもらえたことで、専門家による洞穴内の調査を実現できた。その結果、金鉱石を見つけることはできなかったが、試掘坑道であったことは証明されている。

 あくまでも個人的な憶測に過ぎないが、青野山火山群に含まれる千石岳や金峰山、四熊ヶ岳の周辺には金、銀、銅などの鉱脈がある可能性が高いと言えるであろう。これからも、地道に調査を続けていきたいと思う。

 そして、これまで幾度となく取り上げてきた平家伝説であるが、今回の旅では周南地域に限ることなく、その範囲を広げることができた。四国の屋島、鹿児島の硫黄島、大分県の豊後大野市、福岡県の門司などである。

 なかでも、別名、鬼界ヶ島とも呼ばれる鹿児島の硫黄島には、島流しにされた俊寛が過ごしたという俊寛堂や、逃げ延びてこの地で暮らしたとされる安徳天皇の墓所など、平家伝説につながる多くの史跡が残されていた。

 伝説についての真偽は別にしても、興味が尽きることはない。これからも、機会があれば各地に足を運び取り上げていきたいと思う。今さら言うまでもないが、物語や伝説を旅することは、未来を知ることでもある。

 これまで続けてきた「周南新百景」の旅で足りなかった部分を補っていく意味を込めて、新たに始まる旅を「補周南新百景」とした。その旅を、決して立ち止まる旅ではなく、未来に向かって歩んでいく旅にしたい。

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