2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(40)ハチク(淡竹)

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 先日、ご近所さんからハチクを頂いた。ハチクとは、竹の一種である淡竹(ハチク)のタケノコのことで、スーパーなどで売られている一般的な孟宗竹(モウソウチク)のタケノコとは異なるものである。

 その違いは一目瞭然で、土中から掘り出された根に近い部分が大半を占める孟宗竹のタケノコに対して、ハチクのタケノコは根より上の部分を切り取るため細くスマートな形をしている。

 孟宗竹のタケノコより収穫の時期が遅れることなどから店頭に並ぶことも少ないハチクのタケノコであるが、その味はアクが少なく上品な旨みがあり煮物や炒め物に最適である。

 淡竹は、中国原産とされているが渡来時期は不明である。日本最古の物語である「竹取物語」の中で、竹取の翁が「かぐや姫」を見つけ出す竹が淡竹であったのではないかと言われている。

 その「竹取物語」は、童話や昔話などから竹から生まれた「かぐや姫」がやがて月に帰って行くといった単に感傷的な話と思われがちであるが、読めば読むほど深い意味を秘めていることが分かる。

 たとえば、質素な生活を送っていた竹取の翁は、「かぐや姫」を発見して以来たびたび竹の中に黄金を見つけて大金持ちになっていく。そして自分が高齢であることを理由に、「かぐや姫」に結婚を勧める。

 さらに帝(天皇)からは、姫を宮仕えにすれば官位を与えると言われる。そして、「かぐや姫」が月に帰れないようにするため、土蔵に閉じ込め屋敷の周辺を帝の武士2千人に守らせるなど、話はまだまだ続く。

 他にも多くの話が含まれている「竹取物語」の本当に伝えたかったものは何か、その答えを書く前に残念ながら字数を越えてしまった。続きはまたの機会としたい。

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