2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(15)土器片(光市三井) 

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 岡原遺跡は、光市立三井小学校に近い標高約38メートルの台地にある弥生時代後期から終末期にかけての高地性集落跡である。

 昭和26年に行われた山口大学の島田川流域の遺跡調査と試掘によって、畑地として使用されている台地に弥生式土器を含む竪穴群などがあることが確認されていた。

 その後、昭和29年に行われた大規模な調査では、塁状遺構、溝状遺構、11軒の竪穴住居址、平地式・高床式住居の柱穴などとともに植物遺体として米、麦、小豆、大豆などが出土した。

 塁状遺構の塁(るい)とは土を積み重ねてつくった構築物のことで、岡原遺跡では長さ50メートル、幅5メートル、高さ2メートルの土塁が集落の入口と思われる北側に築かれていた。

 集落の東側の崖沿いでは、V字形に掘られた溝が堆積物に埋まった状態で見つかっている。これらのことから集落を何らかの理由で防御する必要があったとも思えるが、定かではない。

 多種の住居址と米、麦などの植物遺体の出土からは、集落が長期にわたって維持されていたことがうかがえる。これらに関する資料は、光市文化センター2階の歴史民俗展示室で展示されている。

 調査が終わった遺跡は、再び埋め戻されていたが、平成21年の集中豪雨によって遺跡の東端の一部が崩壊する被害を受けた。流れ出た土砂の中に多数の土器片などが含まれていたため大きな話題となった。

 今回、所有者の厚意によって、その時出土した多くの土器類を直接目にすることができた。考古学の知識があるわけではないが、それでも数日間熱が続くほどの感動と衝撃を受けた。

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