コラム・エッセイ
(25)ヘビノネゴザ(周南市大潮)
続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
シダの一種であるヘビノネゴザ(蛇の寝御座)の名前について、『植物図鑑』(社会思想社)に「束生した葉の間に時々ヘビがとぐろをまいていることがあるから」と書かれている。
ヘビの姿を見るだけで身震いするほどなのに、とぐろをまいたところなど想像すらしたくない。それほど身の毛がよだつような恐怖と気味悪さを感じさせる植物があること自体が不思議である。
怖いもの見たさで探してみると、山の斜面や石垣の間など身近な場所にも意外と多くのシダ植物が生えていることに気が付く。しかし、肝心のヘビノネゴザは、簡単に見付けることができない。
そこでヘビノネゴザが、別名、金山シダとも呼ばれ、鉱山を捜す時の目当てにされていたことに注目した。手当たり次第に探すよりも、鉱山跡の方が発見できる可能性が高いと思われる。
さっそく、以前から計画していた周南市大潮にある小河内鉱山跡を訪ねた。土地を所有する地元の人に入山許可をもらいに行ったところ、なんと親切にも案内してもらえることになった。
おそらく自力では探すことが出来なかったに違いない場所に、鉱山から産出された捨て石の山(ズリ山)があった。さらに周辺をくまなく探すと、2カ所の坑口を見つけることができた。
坑口の一つは縦穴で、山の斜面に突然口を開けている。深さは不明であるが、誤って落ちると助からない危険性が高いであろう。私有地でもあるため、無断で立ち入ることがないようにお願いしたい。
目的のヘビノネゴザらしきシダを、坑口近くで見付けることができた。しかし、本物であるという確証は得られていない。
