2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(86)ニゲラ・ダマスケナ(クロタネソウ) 

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 晴れてほしいという願いもかなわず、雨の夜になった。約3年ぶりという皆既月食は、ついに見ることができなかった。「スーパームーン」の皆既月食として期待されていただけに残念である。

 他の場所から撮られた映像を見ることができたが、やはり直接ではない物足りなさを感じた。次回のスーパームーンの皆既月食が12年後の2033年であることを考えると、返す返す残念と言わざるを得ない。

 月食は、太陽と地球と月が一直線上に並んだときに起きるもので、次回は今年の11月19日に部分月食を見ることができる。また、皆既月食は、2022年の11月8日にあるがスーパームーンではない。

 今回の皆既月食でぜひ見たかったのが、月食中の月の色であろう。国立天文台が公開した画像や映像には赤銅色の月が見事に映し出されており、その神秘的な光景に魅了させられた。

 もし何も知らないままで、これらに遭遇したとすれば、恐怖におののいたに違いない。太陽が隠れる日食と同様に、古代から天変地異の前兆としてと恐れられていたことも分かるような気がする。

 こうした驚くべき事象は、何も宇宙だけに限ったことではないことに、最近になって気付くことがあった。それは、余りにも身近で小さなことであるが、ニゲラを見て感じたことである。

 ニゲラを観察してみると、まず、その特異な姿形に驚くことになる。細く針のように伸びた葉、花が咲いているように見せている萼片(ガクヘン)、先端に角のような突起を生やした実など。

 それらは、遠く宇宙からやってきたのではないかと思わせるほど不思議な雰囲気を漂わせている。なんと英語名では、devil in a bush(デビル・イン・ア・ブッシュ)「茂みの中の悪魔」と呼ばれている。

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