コラム・エッセイ
(52)サンマ(秋刀魚)
続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
今年も、サンマが不漁らしい。8月の水揚げは、過去最低であった昨年の漁獲量に対して2割程度という報道もあった。9月に入ってもその状態は続いているのであろうか、店頭での値段は高いままである。
この日の夕食のおかずは、今年初めてのサンマの塩焼きであった。本来であれば、一匹まるまるあるはずのものが、まるで何もなかったかのように筒切りになった半分だけが皿に乗せられていた。
今までも、サンマが食卓に登場する回数が知らないうちに減ってきていたのであろうが、ついにこの様な状況を目の当たりにするに至って、事の重大さに気付かされることになった。
それでも、今はこうして食べられることに感謝すべきであろう。炭火とまではいかないまでも、グリルでの焼き具合も最高であった。秋の味覚の代表ともいえるサンマの脂の乗った味を堪能することができた。
かっては、あふれるほど手に入れることができたサンマがこれだけ減少してくると、今までのありがたさを痛感する。そして、不漁の原因として挙げられている地球環境の悪化などに心が痛む。
所詮、人間が作りだした原因による被害は、自業自得と言い切れればそれで済むといった単純な問題ではない。乱獲による資源の枯渇などの問題も含めて、真剣に取り組む必要に迫られている。
コロナ渦の中で特に目にするようになったのが、国道沿いや公園などに無造作に捨てられた多くのゴミである。おそらくは、密接を避けるためにテイクアウトが増えたことが影響しているのであろう。
それらのゴミがやがて川や海に流れ込み環境を破壊する原因になっていることを、今こそ知るべきである。豊かな自然のなかで、豊漁の日がふたたび来ることを信じたい。
