2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(1) スリランカゾウ(周南市大字徳山)

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 周南市は、ゾウとの関わりが深い。新しく完成したゾウ舎の前に設置されている「とくやまのまるみみぞうさん」の詩碑は、詩人「まど・みちお」が平成6年に徳山動物園のゾウを見て作詩したものである。

 モデルとなったサバンナゾウの「マリ」が、平成24年に亡くなったため、市民の強い願いによって平成25年にスリランカ国からミリンダ、ナマリーの2頭のゾウが寄贈された。

 その原動力となったのは、周南市が「まど・みちお」の出身地であったからであろう。生家はすでに失われているが、西辻自治会館の前には生家跡の説明板が建てられている。

 9歳まで徳山で過し、徳山小学校前の説明板によると当時岐陽尋常高等小学校と呼ばれたこの学校に3年間通ったのち、台湾に移り住んだとされている。

 ゾウとの関わりは、それだけではない。江戸時代の享保14年(1792)には、『新南陽市史』等の資料によると将軍への献上品としてゾウが旧山陽道を通行したと記されている。

 3月13日に長崎を出発したのち、4月2日の午後4時に徳山町御客屋の宿所に到着した。当時江戸から帰国中であった藩主毛利広豊は、急きょ建てられた西松原の仮小屋で見物したという。

 メスゾウは出発の前年に死亡したため、通行したのはオスゾウの一頭だけであった。4月3日に徳山を出発し、4月16日大阪、4月26日京都を経由して5月25日には江戸に到着している。

 さらに、現在の徳山動物園が、ゾウの通行を見守った藩主の旧屋敷内にあることも付け加えおきたい。

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