コラム・エッセイ
続 周南新百景 番外編 続から続々へ
続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)急な石段がある神社の境内には、猿田彦大神の珍しい石像があった。猿田彦大神は天孫降臨の際に道案内をしたとされる古事から、道や旅の安全を守る道の神として祀られた。
現在では目にすることも少なくなったが、山間部を通る旧道の峠や集落の境界、分かれ道などに残されていることもある。かって旅人が旅の安全を願ったように、続周南新百景を猿田彦大神からスタートさせた。
その後の巡った場所や順番に特別な理由があった訳ではない。地域別の掲載回数に配慮する以外は、風の吹くまま気の向くままの言葉が相応しいような思いで回を重ねた。
初めて見る風景は、新鮮であり、すべてが輝いて見える。それらはまるで物見遊山をしているかのような感動を与えてくれる。新たな感動は、生まれたばかりの命のように大きく育っていくに違いない。
花が咲く木もあれば、咲かない木もある。人が通う道もあれば、通わない道もある。人の住む家もあれば、無人となった家もある。歴史を残す場所もあれば、残さない場所もある。
8月21日付け本紙に投稿された「続周南百景(89)にちなんで、杉ヶ峠防空砲台跡の思い出」の内容には衝撃を受けた。そのなかで、当時はウサギ道しか無かったことや学徒動員でレンガが運ばれたことなどが明らかにされている。想像すらしていなかったことに、体験者の証言がいかに貴重であるかを痛感した。
旅の終りの100回目には、戦災復興の記念碑を選んだ。今日という日の平和に感謝しつつ、周南新百景を続から続々に進めたい。
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