2026年07月15日(水)

コラム・エッセイ

(47)スズメバチの巣

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 実家で、スズメバチの巣を見つけた。柿の木に作られた巣は、すでにかなりの大きさにまで成長していた。いかにハチが益虫だとしても、そのまま放置するわけにもいかないので、自分で駆除することにした。

 以前、スズメバチに刺されたことがあるので、厳重に身支度をしたうえで作業を開始した。本来であれば、スズメバチが活動しない夜間が良いとされているが、一人での作業は夜のほうが危険と言えるであろう。

 スズメバチは、警戒心が非常に強い。作業がしやすいように近くの枝を切っただけで、見張り役のハチが出てきて様子をうかがい始めた。中にいるハチを怒らすと大変なことになるので、作業を一旦中止する。

 再度、落ち着いたところを見計らって、専用の殺虫スプレーを噴射しながら巣に近づいて行き、入口から巣の中に吹きつけた。慌てて飛び出してくるハチもいたが、容赦なく吹き続けたところで素早く避難した。

 離れた場所から見ていると、異変を察したのであろう多くのハチが巣の入口から出てきた。大混乱状態となった巣の周辺では、殺虫剤の効果で下に落ちるものもいれば、そのまま遠くに飛んでいくものもいた。

 しばらく放置した後で、巣を収穫用のネット袋に入れて回収してみたところ、すでにハチは一匹もいなくなっていた。それでも、2層の巣盤には白いふたでおおわれた蛹(さなぎ)の入る育房が多く残されていた。

 これらの蛹もいずれ羽化して成虫となるので、そのまま置くと非常に危険である。また、育房には蛹となる前の幼虫も数匹生きていたので、残酷なようであるが、これらのすべてを殺処分することにした。

 ハチの種類はコガタスズメバチであったと思われるが、木や葉などをかみ砕いたものと唾液とをまぜて作られたとされる巣の貝殻状の模様は、壊すのがしのびないと思えるほど、美しく仕上げられていた。

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