2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(75)夕暮れの旭橋

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 やっと、明るい兆しが見えてきた。今年のゴールデンウイークは、5月8日から新型コロナウイルス感染症の取扱いが季節性インフルエンザと同じ5類の感染症となることを前にして、各地で大賑わいとなっていた。

 世界保健機構(WHO)も3年前に宣言した「緊急事態」を解除する方針を明らかにしていることからも、これまでの暗いトンネルを抜けて、世界中のどこでも、以前と同じように普段の生活ができるようになるのであろう。

 思い返してみると、2020年2月に「ダイヤモンド・プリンセス号」で発生した集団感染がすべての始まりであった。未確認の感染症という不安はあったが、これだけの被害を発生させるものとは予想だにしなかった。

 さらに、想像が及ばなかったのは、いつ終わるとも知れない流行の繰り返しであった。終わってしばらくすると再び始まり、始まってしばらくすると再び終わる。激しい不信と苛立ちが日を追うごとに募っていった。

 幾度となく「不要不急の外出自粛」や「県外移動の禁止」が叫ばれたあげくに、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が取られることもあった。

 街中にマスク姿と仕切り用のアクリル板や消毒液があふれかえっていた。

 あれほどまでに猛威を振るった変異株が、突然消え失せるはずがないことぐらいは、これまでの経験から考えれば常識であろう。これから、どうなるかを知りたいところであるが、納得できる説明があるわけではない。

 これで終息するだろうと思われたある時期に、北海道の旭川に行く機会があった。特に行ったことを秘密にする必要はなかったが、心の奥底に多少の後ろめたさがあったからであろうか他言することができなかった。

 決して悔いが残っているわけではないが、もしすべての行動規制が取り払われている今であれば受けた感動も違っていたであろう。石狩川と牛朱別川に架かる旭橋は、憧れの橋であるだけに再び訪れてみたいと思う。

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