2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(84)枝豆

続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 枝豆を収穫した。満足できるものとはとても言えないが、それでも予想をはるかに超える出来であった。枝豆を植えるきっかけとなったのは、店頭に並べられていた苗を偶然立ち寄った販売店で見つけたことによる。

 もともと枝豆を植える予定があったわけでも、今まで栽培した経験があったわけでもない。枝豆は専業農家によって大量に作られるものと勝手に思い込んでいたので、自分で作ってみたいとは思ってもいなかった。

 ところが枝豆と書かれた小さな苗を見ていると、もしかしたら自分にもできるのではないかという淡い期待が浮かんだ。さらに、万が一枯れたとしても諦めることができる程度の値段であったことにも後押しされた。

 狭い菜園の片隅に植えた枝豆は、その後手入れすることもなく放置したままになっていた。気づいた時には、すでに収穫時期がきていたらしく、茎についた莢(さや)は、枝豆の成長が感じられるほどにふくらんでいた。

 かって枝豆は、大豆として成熟する前の緑色の実が市場に売り出されていたが、最近では枝豆のための品種が開発されているらしい。今回購入した苗がどうであったかは不明であるにしても、良い苗に違いなかった。

 大豆と言えば、日本の食生活に欠くことができない主要な食材である。たとえば、みそ、しょうゆ、大豆油、納豆、豆腐などがあるが、さらにこれらを原料とした加工品を加えればあげればきりがないほどになる。

 それにも関わらず、大豆が栽培されているところを見ることは非常に少ない。米とは大違いであることを表しているのが、わずか6%という自給率の低さであろう。その数字が、危機的状況にあることを物語っている。

 どうあがいたところで、個人の力でどうにかなるものではないことは明らかである。遅きに失した感は否めないにしても、今後の自給率向上に期待したい。それまで、たとえ少量であっても枝豆を作ってみようと思う。

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