コラム・エッセイ
周南新百景(72) 虎ヶ岳(光市三井)
続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
光市の最高峰である虎ヶ岳には、多くの登山道がある。主なコースとして渓月院コース、周防コース、観音寺コース、三井コース、熊毛コースをあげることができる。
これらのコースでは、渓月院コースの渓月院や三井コースの定光寺、熊毛コースの常安寺のように登山口の多くが寺院となっている。観音寺コースも寺院の名前であるが、すでに廃寺となっているために該当しない。
『防長風土注進案』には、定光寺の末寺観音寺があったが廃寺となり、観音寺の地名となったと記されている。観音寺が廃寺となった正確な時期については定かではない。
また観音寺コースにある八十八箇所の石仏について調べてみたが、建立された時期や経緯について明確な答えを出すことはできなかった。中には江戸時代後期と思われる石仏もあり、長い歴史を感じさせる。
八十八箇所の石仏が寄り添うように続く登山道は、他とは違った魅力にあふれている。その観音寺コースには、光市三井の岩狩団地を過ぎたあたりにある虎ヶ岳観音寺コース登山口の標識から入る。
およそ30分程度で渓月院、周防コースと合流する。尾根道を進み、途中で三井コース、熊毛コースと合流しながらおよそ30分程度で虎ヶ岳山頂(414メートル)に到着する。
山頂では、途中まったく眺望のない道を歩いてきたうっぷんを一気に晴らすかのようにすばらしい展望が広がっている。特に市街を通り周防灘に流れ込む島田川の風景は圧巻である。
