2026年05月26日(火)

コラム・エッセイ

安倍元首相急逝

周南漫歩

 ◎平和な日本でこんなことが起こるのか―安倍晋三元首相が遊説中に凶弾に倒れて亡くなったことは、いまだに信じられない。ロシア軍のウクライナ侵攻も「21世紀の時代にこんなことがあるのか」と思えてならないが、世界も日本も暗い過去に時計の針が逆戻りしているかのようだ。

 ◎11日付の本紙1〜2面は安倍氏の追悼特集になった。安倍氏が揮ごうした光市束荷の初代内閣総理大臣の伊藤博文公の「没後100年記念碑」の除幕式で、筆者の取材にも気さくに答えていただいた安倍氏が懐かしく思い出された。伊藤公もまた、1909年10月に中国・ハルビン駅で凶弾に倒れている。

 ◎しかも除幕式の時は自民党が下野し、民主党鳩山政権が発足したばかりのころ。きっと起死回生の決意をそっと胸に秘めていたのではないだろうか。

 ◎その3年後の2013年には参院補選の江島潔候補の応援で徳山駅前に来て、安倍氏や林芳正農水相、高村正彦自民党副総裁、河村建夫元官房長官、現防衛相の岸信夫氏が「現代の長州ファイブ」と称され、聴衆から拍手を浴びていた。この時の写真からは安倍氏の自信に満ちた表情が感じ取れる。

 ◎それにしても驚いたのは、安倍氏の命を奪った犯人の名前が筆者と一字違いだったことだ。もちろん筆者とは何の関係もない。しかし世の中、毎日のようにいろんな「容疑者」の名が紙面や電波に乗るが、その名前と同姓同名や一字違いの人はきっといるはず。その人たちの思いを筆者はこの事件を通じて深く感じることになった。

 ◎誰の命も大切であり、奪われていい命など地球上に一つたりともない。安倍氏の無念な急逝は、私たちにどんな教訓を与えてくれるのか。今はただ、冥福を祈るしかない。

(山上達也)

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