コラム・エッセイ
12月作品(その三) 席題「忘れる」松永よし子 選
下松多宝塔川柳会今までの嫌なことだけ忘れたい 神田鈴佳
物忘れ多くなっては歳を知る 中村好徳
鍵がない気軽に置いてすぐ忘れ 神田鈴佳
時々は都合の悪い時忘れ 末光康英
訂正を忘れて投句あたふたと 栗田梧空
忘れ物ついうっかりが顔を出す 中村好徳
振り出しの気持ち忘れて愚痴ばかり 河村紅衣
温室で四季を忘れた花が咲く 神田すが代
買物で支払い終えて品忘れ 佃元気
ご自分のお名前だけは忘れない 末光康英
もう一つ頭が欲しい物忘れ 鍵谷珠枝
忘れるから生きてゆけるさ明日もまた 栗田梧空
聞いてない言ってないよと物忘れ 鍵谷珠枝
忘れたら次の記憶が待っている 中村好徳
忘れるほど脳に詰まっていた知識 有海静枝
こってりと絞られたのにもう忘れ 河村紅衣
満腹になると恩義を忘れそう 神田すが代
憎しみも忘れて楽し認知症 佃元気
時が経ち忘れ戻ってくる笑顔 有海静枝
(秀)うっかりと自分どこかへ置き忘れ 河村紅衣
嫌な事忘れ新たに今日生きる 選者
