コラム・エッセイ
6月作品(その二) 宿題「ねじ」河村紅衣 選
下松多宝塔川柳会さびついた夫婦のねじにさす油 鍵谷珠枝
総理多忙あそこもここもねじで留め 栗田梧空
指力ボトルのねじが緩まない 瀧川茶々
お互いにねじが緩んで飛び歩く 中村好徳
朝日差すさあ一日のねじを巻く 鍵谷珠枝
惚けたかなねじが緩んで締め直す 中村好徳
大事故は留め忘れてたねじ一本 佃元気
さぁ呑もう緩ませますか今日のねじ 有海静枝
ネジ山が崩れペンチを持って来い 末光康英
身体中ねじがゆるんでたよりない 赤尾ひなた
捩じ曲げる発言国も人も恐い 神田鈴佳
本気出しねじれる議論どこへやら 中原童士
既(すんで)の所ネジ一本が妥協せぬ 神田すが代
動かない亭主に呆れネジを巻く 中原童士
ひねくれたねじが途中で腰をまげ 鍵谷珠枝
長く生きねじをどこかに置き忘れ 松永よし子
摩り切れたネジ父には辛い過去がある 神田すが代
ネジひとつ抜けてしまったひとつの死 有海静枝
美辞麗句並べてねじで留めてある 栗田梧空
(秀)ネジ山が潰れ人間らしくなり 神田すが代
お役目が済んだとねじの気がゆるみ 選者
