コラム・エッセイ
3月作品(その一)宿題「株」中村好徳 選
下松多宝塔川柳会街路樹の道押し上げる株の径 神田鈴佳
有り難うその一言で株上げる 佃元気
あの人はあのひと言で株上げた 浦川うらら
四季の花咲かせる株で庭造り 鍵谷珠枝
ひと株のチューリップ咲き庭は春 鍵谷珠枝
買ってから無視の出来ない株の欄 神田鈴佳
株分けの時期が来たよとおすそわけ 中原童士
思いやる言葉ひとつで上がる株 有海静枝
欲の皮つっ張っている株投機 末光康英
暴落のサインが灯る兜町 栗田梧空
孫自慢婆のお株を奪う爺 松永よし子
君という期待の株を手懐ける 河村紅衣
切り株にけつまづいたの兎です 滝川茶々
切り株も生きてる証芽吹く春 松永よし子
古株がまた仕切り出す酒の席 神田すが代
古株に知恵を貰って先が見え 河村紅衣
火傷する覚悟なかった株と恋 有海静枝
言い訳をすればする程株を下げ 神田すが代
兜町企業戦士の夢の跡 末光康英
(秀)切り株から微かに鼓動する新芽 神田すが代
乱高下株の値動き凝視する 選者