コラム・エッセイ
4月作品(その三)席題「蠢く」有海静枝 選
下松多宝塔川柳会浮気の虫蠢きだした春だもん 末光康英
豆の葉を蠢く奴が食いつくす 滝川茶々
春耕にひょっこりみみず慌てだし 河村紅衣
草抜けば蠢くように膝痛む 神田鈴佳
夜桜に蠢く人や千鳥足 佃元気
春だ春蠢くものは生きている 末光康英
春愁に蠢いている腹の虫 河村紅衣
生きているうごめく脳で老いの坂 鍵谷珠枝
春になり蠢きだした好奇心 佃元気
開花待つ蕾うごめき夢を抱く 鍵谷珠枝
イケメンに気持ち蠢くまだ若い 松永よし子
好奇心蠢き出して殻を脱ぐ 中村好徳
悪いうわさうごめいてくる人事月 栗田梧空
春なのに胸のうごめきまだ未処理 河村紅衣
闇の中蠢く人の猜疑心 中村好徳
若い芽を狙い蠢く闇バイト 神田すが代
石破おろしうごめいている永田町 栗田梧空
議事堂の隅で蠢く黒い金 神田すが代
どん底に蠢く人の虚栄心 中村好徳
(秀)指切りの先で蠢く軽い嘘 神田すが代
春めいて蠢く期待やら不安 選者
