コラム・エッセイ
11月作品(その二)宿題「拭く」赤尾ひなた 選
下松多宝塔川柳会もう逢わぬカップの縁の紅を拭く 有海静枝
歳重ね食べ物こぼれ床を拭く 佃元気
まだ夢を見てる余生の眼鏡拭く 河村紅衣
自分史の染みの辺りが拭えない 河村紅衣
四つんばい拭いた廊下は今モップ 鍵谷珠枝
過去すべて拭き取り少しある残渣 末光康英
風呂上がり拭く間も惜しい同点打 松永よし子
パック後に鏡を拭いて肌チェック 松永よし子
つまみ食いついた口元拭き忘れ 松永よし子
窓拭きは見てみぬふりをいつかやる 浦川うらら
泣き寝入り孫の涙をそっと拭く 鍵谷珠枝
さりげなく涙を拭いて媚を売る 中村好徳
忖度のメガネ拭いてもすぐ曇る 神田すが代
貧政の尻は庶民の税で拭く 神田すが代
美肌道泡洗顔後そっと拭く 滝川茶々
犯罪の拭いても取れぬ汚れた手 神田鈴佳
拭きあげた廊下の光る老舗宿 神田鈴佳
仏像を雑巾で拭き叱られる 末光康英
ハンカチで汗を拭き拭き借用書 末光康英
(秀)憤怒まま拭いて輝く窓硝子 有海静枝
窓を拭きそっと隣家を覗き見る 選者
