コラム・エッセイ
No.8 9月18日 車椅子20台、通学用自転車20台 ドンホイで障害者や子どもたちに
ベトナムは今 コロナ禍を乗り越えて(9月16〜20日) 記者・IMAYA理事 山上 達也ドンホイのビーチでの昼食のあとは、いよいよ今回の2大事業の一つである車椅子20台と通学用自転車20台の贈呈式だ。すべてはIMAYAの会員はもちろん、下松市の徳山東ロータリークラブからいただいた寄付金で購入したものだ。
しかも車椅子も自転車もベトナムの国産品だが、これには理由がある。ベトナムはまだ未舗装の道が多く、舗装が行き届いた道路での走行を前提に製造された日本製のものでは使い勝手が悪い。
しかしベトナム製は未舗装路の通行を前提に製造され、故障しても構造が複雑ではないことが幸いして地元の自転車店でも修理が可能だ。使う人のことを考えれば、国産品を現地で手配して贈る方が「親切」なのだ。しかもベトナムの経済に貢献できる。
贈呈式はドンホイ市中心部の同市障害者支援センターの駐車場が会場。所狭しと並ぶすべての車椅子と通学用自転車には「SUPPORTED BY TOKUYAMA EAST ROTARY CLUB(JAPAN)」のプレートが取り付けられている。
贈呈式を取材しようと地元クァンビン省のQBTV(クァンビン・テレビ)の記者が来ている。彼らは筆者がベトナムで初めて出会った「記者」だ。
車椅子を受け取る人には、片足どころかファン・バ・ティックさん(46)のように両足がない人もいた。彼は英語が少しできるようなので、筆者も英語で取材を試みたが、彼は「うれしいよ。本当にうれしいよ」という言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。きっと喜びが高ぶり、それ以上の言葉にならなかったのかもしれない。
自転車は通学距離が遠い子どもたちに贈られた。小学校まで片道3キロを50分かけて歩いて登校している12歳の少年は「自転車だと20分で登校できるので、勉強や家の手伝いができる時間が増えます」とうれしそう。
式では同事務所のマイ・スアン・チュー所長(70)が「日本のIMAYAから温かい贈りものをいただきました。暮らしの中で大切に使って下さい」とあいさつし、岩本功IMAYA理事長と握手。グエン・スアン・ヒエン副所長(68)がフエのOGCDCのチャン・ティ・フォン・アンさんと一緒に1人1人をチェックし、受領サインをもらいながら車椅子や自転車を引き渡していた。
車椅子や自転車は受け取った人たちが手配したトラックに乗せられて、それぞれの家庭に散っていった。中にはオートバイがけん引する小型トラックもあった。日本の交通法規下では存在しない車両だろう。
IMAYAが会員や徳山東ロータリークラブなどから預かった浄財が、ベトナムで車椅子や自転車となって、たくさんの障害者や子どもたちのもとに渡った。これらはきっと彼らの暮らしどころか、人生そのものをいい方向に導くだろう。
まさに草の根の医療と福祉の支援活動の真骨頂をこの日のセレモニーから感じられたことは、このたびのスタディツアーで最大の思い出になった。この感激はきっと生涯、忘れることはないだろう。
自転車に取り付けられた徳山東ロータリークラブのプレート
自転車に喜ぶ子どもたちとヒエン副所長
車椅子に喜ぶ両足のないティックさんと岩本理事長
