2025年09月16日(火)

コラム・エッセイ

「2021年 第二の人生をスタート!」

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 昨年は何もかも自粛を求められ、混迷と不安が入り乱れる一年だった。人との関わり方も大きく変わり、遠方に暮らす家族や縁者と集う機会もなく、盆や正月はもちろんだが、親の法事さえ集まることができなかった。

 こんなコロナ禍は混沌としてこの先も予断を許さず、新年を迎えても心底「おめでとう」などと言えない。ただ、1年の節目でもあり、今年こそ平穏な世となるよう期待を込めて会う人には社交辞令的に口にはするが、正直なところ気は重い。

 年頭にあたり一つ宣言をしたい。これまでの半生を振り返っても、オイルショックだ、バブルがはじけただのリーマンショックだと何度かの不景気の谷底も経験したが、いつか景気も回復するものだと信じていたし、気が付けば普通の暮らし、いやそれ以上の豊かさを享受する社会になっていた。

 ちょっと前を思い出すと、カラーテレビなど高嶺の花だったし、電話も今思えばべらぼうに高額な加入権を買って取り付け、ようやく一人前になったような気がしたものだが、今や薄型液晶テレビが一家に1台、いや1人に1台が当たり前。電話に至っては子どもから老人にまでスマホが普及し、使いこなせるかどうかは別として、もはや携帯電話というより携帯コンピューターではないか。  新幹線もない時代、東京行きなんて就職するか進学するかで人生の一大決心で、覚悟を決めて「あさかぜ」に乗り込む友を見送った。今や高校生が格安ツアーでディズニーランドに遊びに行くご時世だ。

 いつの間にか遠い雲の上の夢物語だったものが身近な存在になり、物質的には確実に豊かになっている。とはいえ、社会の格差は広がり、近年は大雨、台風などの気象災害はますます激甚化してきた。阪神淡路大震災はじめ東日本大震災など予期せぬ大災害に驚愕し、近い将来には南海トラフ巨大地震が必ず起こると叫ばれるなど、不安の種はつきまとう。

 だが、「運良く」といっては怒られそうだが、自分の身に直接関わることもなく、年寄りの語り草だった戦中戦後の超耐乏生活にも無縁の戦後生まれの「平和ボケ」を自認する。

 人生の終盤をのんきに歩くこの期に及び、このご時世は自分の暮らし方、生き方を見つめ直す契機ともなった。

 私事、昨年の暮れに定年後も、もう一年、あと一年と惰性のようにずるずると勤めていたがきっぱりと退職した。一部の人からは年金が…健康保険が…さらには失業給付を…と惜しがる声もあった。だが、この混迷の世ではいったい何が幸せなのか改めて考えた。家族を養うという重責は果たしたし??これからは(体が動く間は)ふるさとで地に足が着いた仕事をしよう。

 ひと昔前、先人達が辛苦心労を重ねて植林したものの、取り合う人もなく荒れるに任せた山をきれいしよう。かつて人との関わりによって保たれていた「里山」復活に挑戦しよう。今しかない。農林業で第二の人生スタートだ。

取り合う人もなく荒れるに任せた山をきれいしよう

牛と一緒に里山復活に挑戦しよう

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