2026年06月19日(金)

コラム・エッセイ

我が家にジャガイモが届いた

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まらない。とうとう学校も一斉休校となり、各地のイベントや大会なども軒並み中止だ。3月8日に開催予定の「須金市日(いちび)」も当然のように中止決定だ。突然なことだけに関係者への連絡などドタバタだったがしかたがない。

 マスクやトイレットペーパーも店頭から消えた。転売目的とかデマが発端ともいわれるが、平穏?な日々も一瞬にして恐怖におののく危うい社会でもある。 

 つい先日、北海道の友人と電話で話す機会があった。用件はものの数分で終わったが、その後が長かった。話はやはり新型コロナウイルスで、北海道も各地での感染域がどんどん広がり、自分の町のすぐそこにまで迫って来たという。

 感染経路も特定できず、いくら人口密度の低い地でも周囲を疑心暗鬼の目で見るようになると話していた。体が資本の農家が今隔離入院でもさせられたら一年間無収入になるとかなり強い語調だ。「そりゃあ大変…」と返しはしたが、北海道の大規模農家となると農業機械はどれも超大型で億の単位だという。その維持費や損料だけでも相当なもので彼の心中は察するに余る。

 そこから話は飛躍して日本の農業の課題や行く末にまで及ぶ。食料自給率を上げないことには日本国民の半分ぐらいは餓死するのではないか。農産物価格が安すぎる。米は最低でも1俵を2万円くらいにしないと生産意欲がなくなり農家はみんな廃業し、米さえ輸入に頼らなくてはならなくなる。食べ物が安すぎるから平気で食べ残すし、社会問題にもなった食品ロスなどのもったいない行為が平然とできるんだと熱くなる。

 彼が言うには近頃は家に籠るためにスーパーから米や麺類なども買占めされて品薄となる異常な状況だが、我が家には米もイモも一年分のストックがあるからしばらくは外に出なくても生活できるという。

 さらに話は飛躍して地方の限界集落に暮らす小さな農家こそ混迷の世紀を生き残れるのではないか。大規模農家は効率最優先で栽培品目も限られるが、小さい農家は小回りがきいて少量多品種を栽培できるし、山に行けば燃料も水もほぼ無尽蔵ではないか、木材も自給できるからちょっと器用な人なら小さい家くらい建てられるのではないかと。

 もっともだ。半世紀前にはそんな暮らし方もあったかもしれないが、そこから抜け出そうとあがき続け、見切りをつけた人はまちに出て今の限界集落になった。人は一度楽をしてしまえば元には戻れない。そう反論はしなかったが…。

 「ところで自家用のジャガイモは十分にあるかね?」と尋ねられた。「あんまりない」と答えたら「じゃあ送るよ」ということになり、ありがたく頂くことにして電話を切った。う〜ん。久々に情熱のこもった話を聞いたなあ。

 昨日早速、段ボール箱に入ったジャガイモが届いた。しばらく籠れるな!

大規模農家となると農業機械はどれも超大型だ

早速段ボール箱に入ったジャガイモが届いた

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