2025年09月16日(火)

コラム・エッセイ

「今年も牛に感謝!」

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 炎天下で長時間活動するのは命に係わると、大袈裟ではなく本気で考える猛暑、酷暑続きの夏もようやく終わろうとしている。何とか熱中症で倒れることなく耐えたし、お盆前からの降り続いた記録的な雨量の長雨も何とかやり過ごすことができた。連日発令される大雨警報と近県での河川氾濫や土砂災害のニュースに、明日は我が身かと落ち着かない日々だった。どうやらこれがスタンダードになりつつある。世はコロナ禍からいまだ抜け出すことができずにいるが、異常な天象続きと地球規模でのパンデミックに子供たちは将来にどんな“夢〟を見ているのだろうか?

 元はと言えば、我々年寄りが永遠の未来を疑わずに右肩上がりを信じ、大きいことはいいことだ…と重厚長大にこそ価値があり、消費は美徳だと使い捨ての世にさしたる疑いもなく生きていたからに他ならない。かつて工場から立ち昇る七色の煙を繁栄の証と誇らしく憧れて眺めていたのを思い出す。

 今になってSDGsなどと叫んでも、我々の尻ぬぐいをするのはこれからの若い人達だ。

 先日、北海道で農業を営む友人から電話がかかってきた。今は収穫時期だが、今年は異常なほどの干ばつで畑作物は小麦の出来はまあまあだが、馬鈴薯など半作だという。それでも収穫できるだけありがたいと話す。数年前は収穫時期の長雨で畑に入ることも出来ずに一部は畑に残したまま腐らせたり、冬を迎えたこともあったという。話は続き、かつては農業もある程度の規模と機械化で効率を考えなければお嫁さんどころか跡取りが出ていくご時世だと、農地の拡大と大型機械を積極的に導入し、何とか息子は後を継いでくれているという。これも綱渡りで、今年のような干ばつはじめ天候次第で収穫量が見込み以下となれば、機械などへの莫大な投資は回収出来なくなる。これが数年も続けば…と、愚痴とも嘆きにもとれるつぶやきを聞いて電話を切った。

 規模こそ北海道農業に比べれば目糞、鼻糞だが、今は職業を問われれば農林業の端くれを自称する。後先を考えれば機械化をする度胸も金も無いし、そもそも山間の小面積で傾斜地という条件では無用の長物にしかならない。その分手間暇かけるのが旧来より精農で美徳とされてきた。しかし、元来が「のーくれ」なのでそれも出来ない。

 もう10年以上も前からになるが、全自動草刈り機?を導入し、大いに助けられている。草の成長が盛んになる春先から秋口まで大活躍してくれている。何度も話題にした牛の放牧による「舌刈り」だ。一滴の燃料も要らず、オイルやグリス差しも不要で水だけで働いてくれる高効率自走式?草刈り機?だ。

 昨日、約半年間の大役を務め上げて帰っていった。有難う今年も牛に感謝!

春先から秋口まで大活躍の全自動自走式除草機?

昨日、約半年間の大役を務め上げて帰っていった。有難う!

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