2026年06月19日(金)

コラム・エッセイ

「やっと肩の荷が一つ下りた」

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 先日(3月13日)須金の自主防災が災害時等の長期停電に備えるためのソーラー発電と蓄電機能を有した防災倉庫「ソーラーシェルター」を設置したが、そのお披露目式があった。式をしたからといって特別に何かが変わるというわけではないが、一つの節目にはなった。

 振り返ってみると、須金にこの設備を導入しようと動き出したのはさかのぼること3年前のことになる。官民様々な補助金や助成金を手あたり次第チェックしたが、自主防災組織など任意団体では対象外だったり、あっても全額補助という都合の良いものは見当たらず、何度も動き出しては歩みを止めるのを繰り返していた。

 壁にあたる度に「頓挫」の二文字が頭の中をよぎる。その都度奮い立ってつぎの手を探し、ようやくこの度悲願がかなったという経緯がある。長かったといえばそうだし、あっという間だといえばそうかもしれない。

 決して自慢話をしたいわけではないが、須金の自主防災はハード面でやろうと思ったことを執念深く追いかけて形にしてきたことがある。一つは山間地で携帯電話も通じないエリアが広範で、災害時などの連絡手段を確保するためにアマチュア無線を活用しようと動いた。住民対象に無線従事者の資格取得のための講習会を開き、消防団員にいたってはほとんどの団員が免許を手にした。

 周南市にも掛け合いサイレンのタワーにアンテナを立ててもらい、周南防災ハムネットの須金支部が基地局の無線機を設置した。以来、災害時や火災発生時の連絡手段として何度も活躍している。

 二つ目は錦川沿いに立地する須金ならではの心配事だが、毎年の台風シーズンなどの河川増水による浸水の恐怖だ。もちろん高台に逃げればよいのだが、そのタイミングが悩ましい。大雨時の夜中に片手に傘、もう片方に懐中電灯を持って橋の上から覗き込むなどITだAIだというご時世に何とももどかしい。県には水位計の設置を要望して何年がかりで実現はした。

 これでも大前進だがはっきり言って分かりにくいし使いづらい。もっと分かりやすくしようと監視カメラと照明用のライトを自前で取り付けた。大雨時にはリアルタイムでスマホやパソコンで川の様子が見られるものだ。逃げるタイミングすなわち「避難スイッチ」を入れるための判断ツールとなる。

 そして三つ目。毎年のように土砂災害で通行止めとなり、陸の孤島化する現実には諦めもあるが100年前ならいざ知らず、このご時世に長期間電気が途絶えるのは勘弁だ。せめて避難所や市民センター、消防団の施設には最低限の電力供給のシステムが欲しいと粘って実現したのがこの「ソーラーシェルター」だ。

 災害に強く安心して暮らせる地区にしようと何度も話し合いを重ねてきたが、そのハードの3部作が整ったのが先日のお披露目式だった。この3年、紆余曲折いろいろあった。やっと肩の荷が一つ下りた。

3月13日 来賓、関係者、地元住民が集まってお披露目会を開催した

10個の押しボタンを同時に10秒間押し続けると起動する…はずだったが

式典の最後は記念写真 やっと肩の荷が下ろせる

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