2025年09月16日(火)

コラム・エッセイ

2018年を振り返る②《今年の山登りは…》

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 子どものころに思いをはせた将来の夢のことを時々思い出すことがある。もっとも、山奥に暮らす田舎者となれば見るものすべてが新鮮で、汽車に乗れば蒸気機関車の機関士に。ガガーリンが「地球は青かった」と言えば宇宙飛行士に。堀江謙一の「太平洋ひとりぼっち」を読んでヨットで世界一周をしたいと、手当たり次第に思い巡らせていた。

 それらの夢をかなえるための努力もしないし根性もないので、いずれの夢も夢のまま終わって今に至っている。

 歳に関わらず何ごともあきらめないで追いかければ必ず夢はかなうというが、きのうはおろか10分前が怪しくなった頭に加えて老眼で慢性腰痛持ちでは、到底無理なものは無理だとわかる分別だけはついたかもしれない。

 そんな自他ともに認める根性なしではあるが、10代から一つだけ変わらずに続いているものがある。それは山歩きだ。もっとも、ヒマラヤの未踏峰を征服したとか、前人未到の難ルートを開拓したなど、他人に自慢できる偉業があるわけでもなく、ただ長く続けているだけのオッサンだ。

 つい数日前のこと、初対面の人と会話の流れで「昔から山に行くのが好きで…」というと「私も山に行って100名山はもう90幾つ登っているけど、おたくは何ぼうやっちゃったですか」と聞かれた。

 そんなものには全く興味はないとよっぽど言いたかったが、その方は100名山すべてを登った人こそ山の達人だと言わんばかりの勢いだったので「まだ半分くらい」と、いい加減な返事をしてしまったが、実のところは数えてもいない。きっとこいつはつまらん奴だと思われたに違いない。

 久しく続く100名山ブーム。元は深田久弥の「日本百名山」が火付け役になったのだが、あくまで氏の主観で選んだ100山であり、万人が納得した100山ではない。山の紀行文としては一級かもしれないが、日本を代表する100山のリストと勘違いして心酔している人が多いのが残念でならない。

 こんな素直に物ごとを見れない生来のあまのじゃくとひねくれ根性で今までどれだけ損をしてきたことか…。もうこの歳では改心できそうもない。

◇ ◇ ◇

 話題がいらぬ方向にそれてしまった。今年も残すところわずかとなった。年頭に登りたい山の計画を立ててはいたが、結果は惨憺(さんたん)たるものだ。例年であれば何とか都合をつけて月に1回は山に足を向けていたが、雑用が山積みで、1月と3月に行ったきり、9月までの半年は山どころではなかった。

 9月は差し繰りしていよいよ白馬岳を越えて日本アルプスの終着点でもある親不知の日本海にタッチの予定だった。ところが荒天の予報で入山日が定まらず時間切れだ。

今年の初登山は正月の伯耆大山だった

3月に歩いた知床の山=硫黄山を望む

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