コラム・エッセイ
防災はまちづくり? 《お疲れ様でした。そしてありがとうございました》
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修準備に約1年を費やして、何とか平成30年度の周南市総合防災訓練を終えることができた。数えきれないほどの話し合いを重ね、10月も下旬になるとスタッフの顔色が変わり、残り半月は準備作業や予行演習なども入って、ほとんど連日連夜が防災訓練絡みで動いていた。
それでなくても人材が限られ、1人が何役もこなさなければならない中で防災訓練などという余計な行事が増えた分、関係者には大変な負担を強いたことは間違いない。
時を同じくして大雨や台風などが日本列島に度々襲来した天災多発の時期でもあった。
須金でも土砂崩れで幹線道路が寸断され、一時は停電や電話も不通になるなど訓練のための災害想定が現実となったが、訓練に向けて取り組んでいた地区内の災害対策本部や情報収集の仕組みをそのまま生かし、消防団や民生委員など各組織が支所を核に住民の安否や被災状況などの情報を共有し、連携して行動する仕組みができたことは、大きな財産の一つになった。
そして訓練本番。何よりうれしかったのは、住民が大勢で避難訓練に参加してくれたことだ。これも何か月も前から自治会や福祉員はじめ関係者が辛抱強く声がけしてくれたからに他ならない。当初の60人程度というもくろみが、何と200人近い人となった。
特に杖をついたり押し車で歩いて来られたお年寄りも多く、感激で涙腺が緩んだ。さらに子どもたちも含めて多くの住民が自発的に避難所の受付や誘導を手伝ってくれるなど、須金が一つになった瞬間を見ることができた。
目玉の一つでもあった工作救助訓練も消防団の力でやり切ったし、情報収集伝達訓練も各組織の無線をフル活用して市庁舎までつなげることができた。
オール須金で取り組んだ今回の訓練。ちょっとしたアクシデントやハプニングは枚挙にいとまはないし、課題も多かった。それでもやり切ったことに須金の底力を再確認した日だった。
「須金の力で守る!」を合言葉に準備してきたが、実に多くの方の支援の上に今回があったことを忘れるわけにはいかない。炊き出しは当初、自衛隊にお任せの予定だったが、相次ぐ災害のため来られないとの連絡があり、時間的に須金内では体制の組み替えは不可能だったので、ご縁を頼りに久米地区の女性グループ「はなみずき」の皆さんにお願いしたところ快く協力していただけることになった。
防災ハムネットの皆さんには企画段階から多くの方に関わっていただいたし、防災士会からは避難所運営の的確な助言やサポートをいただいた。北部包括支援センターの皆さんには避難所内での救護所運営に関わってもらったが、とんでもない遠回りのう回路を何度も打ち合わせに足を運んでもらった。
多方面かつ大勢の方が惜しみない力をわが須金に注いでくださったことに、ただただ、感謝あるのみだ。紙面を借りて関係各位並びにこの1年間訓練のために奔走していただいた須金の各組織や住民の皆さまに改めてお礼を申し上げます。
長々と「防災はまちづくり?」をタイトルに書いてきたが、お付き合いくださった皆様にも感謝です。

お年寄りも参加してくれた

目玉の一つの工作救助訓練
