コラム・エッセイ
「つまらないからやめろ…」
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修世界中できな臭い出来事が続いている。中東の情勢もますます緊迫度が高まり、ウクライナ戦争の話題も二番手に回ってしまい既に解決済みのような錯覚さえする。つい最近まで盛んに穀物価格の高騰は世界中で飢えに苦しむ人が増えるなどとの報道を見聞きすることが多かったが、今は不安定な情勢下にある中東の産油国との駆け引きで原油価格の高騰が懸念される。
これに乗じてさらなる儲けを画策する某国大統領の「男同士で争うと決めたら、子どもと女性には手を出すな…」などというコメントの何と空々しいことか。
戦争などという非生産的で破壊的な行為を望んでいる輩がいるから起きているのだろうが、当事者国の多数の国民は諸手を挙げて大賛成しているとも思えない。そこには権力の座につく偉い人の利己心や世界中の利権争奪争いが関係しているに違いない…のではないかと思っている。
戦争などやってもやられても双方に憎しみと禍根しか残さないことを過去の歴史から学んできたはずだが、どこの国の大統領も「やられたらやり返す。倍返しだ!」と、何かのドラマで聞いたようなフレーズ通りのことを続けていくのか。
今夏の猛暑、酷暑は何とか乗り越えたが、地球温暖化の影響はどうやら確実のようだ。二酸化炭素の排出量削減などは人類の喫緊の課題だし、世はSDGsなどと環境や貧困、差別や人権などの問題解決を高らかに唱えるが、爆弾やミサイルの爆発はじめ、およそ燃費とは無関係の戦車や軍艦が動き回るために吐き出す膨大な二酸化炭素の量や多く人の命や住居、生活手段を奪い、行く当てもなくさまよう難民を増やし続けている現実はどんな言い訳も滑稽にしか聞こえない。
宮沢賢治が書き残した雨ニモマケズに「北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろ言い」という一節がある。誰に言いに行っていいのかわからないが、もし偉い人に合う機会があれば「つまらないからやめろ…」と言おうと思う。
私事になるが、つい先日久ぶりに東京と神奈川に行く機会があった。そうだ、田舎者のお上りさんだが、あっちに行って電車や地下鉄で移動するにはいちいち券売機で切符を買ったのでは非効率だということを思い出した。しまい込んでいる筈のSuicaを探したが見つからない。まあいいか。新幹線を降りたら買おう。
結論から言うと、もう物理的なカード式のSuicaなど売っていなかった。何でも世界的な半導体不足で販売してないとのこと。今はモバイルSuicaとかでスマホをタッチして改札を通るらしい。悪戦苦闘してアプリを入れ素知らぬ顔をして都会人の真似をして改札を抜けたが内心ドキドキの浦島太郎だった。
やっぱり東京タワーを見て何故か心が動くお上りさんを自認し、用事が済んで横浜で見た帆船日本丸は閉館時間が来て係員に追い出されるまで粘った。こんな優雅な非日常体験ができる日本は何と平和なことか。
やっぱり東京タワーを見て何故か心が動くお上りさんを自認した
前から行きたかった日本丸を見物:は閉館時間になって係員に追い出されるまで粘った
